トラックに道をゆずられ犬とわれ今日も一日よい日になりそう
掲載号 05年06月04日号
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三木 啓子
愛犬との朝の散歩中の出来事であろうか「今日も一日」とあるところから朝を指している。トラックが道をゆずってくれた、というところに、人間的な暖かさが見えて余情を感じさせてくれる。大きなトラックとトラックの摺れ違うような道ではなく、農道からちょっとした脇道である。トラックが道をゆずったのかどうかは別として、犬ともどもに道わきに避けていたとも言える歌である。お先にどうぞどうぞと、道のゆずり合いが眼に見えるようである。犬は同じペットでも猫のような野生がなく、このように愛犬を連れて歩くだけで今日の幸せをくれそうだという犬と人との一体感が見える作である。
(池田友幸)
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