平山郁夫30年の集大成「平成の洛中洛外」特別展8日に閉幕

掲載号 05年05月07日号

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 ゴールデンウィークに話題を集めた豊田郡瀬戸田町の平山郁夫美術館で開かれた「平成の洛中洛外」特別展は好評のうちに8日閉幕する。オープニングセレモニーは4月14日に行われ、田頭秀生瀬戸田町長、宮地宏三同町議会議長に来年1月10日に編入合併する亀田良一尾道市長らがテープカットした。

京都を舞台に新作67点展示

 平山画伯は1959年に「仏教伝来」を発表して以来、2000年には玄奘三蔵の求法の旅を描いた奈良薬師寺玄奘三蔵院伽藍「大唐西域壁画」を完成させるなどシルクロード、奈良・大和路をはじめ、讃岐路・熊野・吉備路・出雲路などを題材として仏教とその多様な文化の伝来を大きなテーマとして描き続けた。その文化は平安時代に到り―。京都を舞台に我が国独自の文化として花を開かせた。そして室町時代末期から江戸時代にかけて制作された「洛中洛外図」により現代に伝えられている。この都を深く愛した画伯は、1971年以来、綿密で詳細な写生を重ね、新たな「平成」の視点を加えてきた。

 そして、その精華な新作67点(本画37点、素描30点)が東京・京都・広島・岡山・名古屋など大都市を巡回して、このたび画伯の出身地瀬戸田町に里帰りした。1976年の「平山郁夫シルクロード展」以来、29年ぶりの全作品が新作という大規模なものだった。なかでも「平成の洛中洛外図四曲一双」は、近代のビル群に囲まれた二条城と御所が幻想的に描かれ「祇園祭」や「鞍馬の火祭」は伝統美に「平成」の視点を加えた平山郁夫の画風を堪能することができる。

 なお、9日からは同館所蔵コレクション小特集「シルクロードの人、日本の人」が展示される。6月30日まで。

平山郁夫画伯メッセージ

 今回の個展でオープニングに出席できなかった平山郁夫画伯は次のようなメッセージを寄せた。

 現在、私はユネスコ親善大使として北朝鮮を訪問中です。昨年、世界遺産に登録された高句麗古墳の調査保存の修理が目的です。文化的な活動によって、日朝両国の人道的、外交的なつながりの保持に役立てればと願っています。

 私は、奈良に咲いた仏教文化が京都で我が国独自の物として花開く姿に興味をひかれ、30年ほど以前より取材、写生を重ね、今回の個展にいたることができました。京都の姿は、室町時代以来、江戸時代にかけて多くの「洛中洛外図」に描かれていますが、その京の都を、現代に生きる私があこがれと喜びをもって描きました「平成の洛中洛外」を皆さまにご鑑賞賜りますことは望外の幸福でございます。

亀井静香と菅原文太の時局講演と懇談会

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