【傍目八目】国主導の平成の大合併 地方切り捨ての時代になってきた

掲載号 05年04月02日号

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 市町村の行財政再建を促したアメとムチの合併特例法が3月31日で失効した。国主導で進められた平成の大合併。住民は賛否両論に分かれ町を二分した。

 今回の合併問題で住民の政治意識は高まったが、反目のあげく「顔も見たくない」というほど住民感情のもつれを残した。タイムリミットをにらみながらの合併を急ぐあまり、協議の進め方が拙速で強引な一面があったのも否定できない。結果が出たからには政治判断を下した議員らをうらんだところでもとへもどらない。合併問題でこじれた住民感情の修復には時間がかかりそうだ。

 昭和の大合併から40年が過ぎ、地方の道路や情報通信が整備されたのに自発的な合併ムードが高まってこなかった。これまでの小規模の財政では市町村が住民の要望にこたえられないから行財政改革というムチを前面に押し出し合併特例債というアメを掲げた。せめて消防やし尿の広域行政のワク組みより小規模な合併では意味がなく、地方切り捨ての時代になってきた。

村上幹郎

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