因島市会議員選挙本番向け加熱 現19、元1、新2の少数激戦模様 先行グループは折り返し地点

掲載号 05年04月02日号

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 因島市が尾道市への合併するまでの最後の市会議員を選ぶ選挙は17日告示、24日に投開票される。すでに現職議長の須沢弘明(70)=旧民社・土生・4期▽元議長村上博徳(64)=保守系無所属・土生・7期▽村上富男(58)=自民・田熊・5期=の古参議員が引退を表明。大票田の土生地区や三庄、田熊町竹長の選挙地盤に変化が生じた。

平成13年4月22日因島市議会選結果(年齢は2005年4月1日現在)

 今回の市議選は昭和の大合併で誕生した昭和28年の市制発足以来17回目で定数は前回より2減の20議席。任期は尾道市へ編入合併する来年1月10日の前日までの約8ヵ月。首長、議員とも解職され、市議選は因島8議席、瀬戸田3議席をめぐっての選挙が行われる。

 再来年4月は尾道市議の改選期を迎えるので合併後初の統一選挙がある。今回の第1ハードルは20議席。来年1月は8議席にハードルの高さが上がるのを視野に入れての選挙戦が繰りひろげられようとしている。

草刈り場になった土生

 かつて造船城下町を謳歌したころの土生町内からは自・公・民・社・共の各政党を名乗って市会議員候補が乱立した。昭和60年代のオイルショックの波をかぶり造船業界の構造的不況が追い打ちをかけ城下町の灯が消えた。「島が沈む」とまでいわれた島しょ部。少子高齢化は過疎化を加速させ活性化対策も焼け石に水。ここに来て、中国特需の追い風を受け日立造船傘下の企業統合で大型新造船建造復活の準備が進められてきた。島の基幹産業である造船関連企業にとっては朗報であるが、市街地の活力再生は模索の段階から抜け出る妙案がない。

 こうしたときに、まち起こしのリーダーが必要とされるのだが、古参議員の引退で現職は村上光(55)=自民=1人となった。これに市議の任期半ばで、県議―市長選出馬で失職、再度市議選にカムバックする金山吉隆(56)=無・元。箱崎区から宮地寛行(30)が無所属で出馬する。

 土生町の4投票所の有権者数は約5290人(3月2日現在)で、前回の平成13年4月22日投票の市議選結果は村上光846票▽金山吉隆790票▽須沢弘明749票▽村上博徳724票の計3109票。単純分析すれば2000―3000票が町外候補者へ流出。土生はまとまりにくいといわれるように文字通りの草刈り場となっている。

 今回は、須沢、博徳票の約1500票の大半が町外候補に分散される傾向があり、地元候補にとって不安材料となっている。なかでも、旧日立・民社系組織を引き継ぐ候補がいなく大票田でありながら3候補予定者もつかみどころのない選挙戦になりそうだ

自民系不在の田熊選挙区

 引退した自民党連続5期の村上富男の前回得票は1063票で千票台上位。田熊町竹長地区を重点に出身地の土生をはじめ中庄、三庄からの集票結果。この票は今回、自民系候補に分散したが、前回立ち遅れといわれながら730票で15位当選した岡野孝志(59)=無所属=が後援会事務所を西区から竹長区へ移して地元票を狙っている。

 中央区の村上弘二(57)は旧日立民社OBや労組の支持母体に前回得票1120票をさらに積み上げ公明票を上回りトップ候補を狙う勢い。

 東区は社民党の大崎金吾(52)3期と共産党の岡野長寿(47)2期が自宅に事務所を構える。NTT出身の大崎は市役所職組を支援母体に前回810票で手堅く3期目をクリアーした。親子二代の市会議員、長寿は共産党の組織票よりも幼・小・中・高PTAやスポーツ仲間など地域票をまとめ、前回732票を獲得。今回3期目に挑戦する。

 前回は保守系から岡野博行(56)が出馬。東区は混戦だった。今回は保守系の票がどう流れるのか注目されるが、同町から自民系候補がいなくなったのも市制発足以来初めてのことである。

混戦の三庄・重井・中庄

 3投票所の三庄有権者は約4000人。立候補予定者は森康光(56)=自民・現▽楠見公史(68)=自民・現▽毛利明夫(56)=保守系・無現▽榎本清文(54)=民主・現の4人が地域票を分け合っている。前回は、楠見と毛利が同数の632票で最下位を抽選で決めるという接戦。日立OBが多い地区でアイメックス出身の榎本が674票位当選という薄氷。森も716票で位と下位グループでの混戦だった。

 重井地区は公明の清水通秀(64)が1307票でトップ当選。大出金三(62)=無所属が883票で5位。村上泰通(61)=民主系無所属が810票で全員高得票。今回は自民推薦の村上醇治(58)が出馬準備を進めており地元票を分け合うことになる。

 原町の山本正幸(56)=自・現と洲江の長田丕(59)=無・現も東生口有権者1400人を分け合うので苦しい。大浜の青木亮介(53)=無・現▽中庄の田頭弘美(64)=無・現▽西浦の巻幡伸一(58)=無・現▽外浦、吉田尚徳(64)=自民・現は上位をうかがっている。上田栄司(46)=新社会は2度目の挑戦。

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