首のまわりほのかに軽く暖かし娘のプレゼントのネックレス付ければ

掲載号 04年11月27日号

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中西 貴子

 昔から血は水よりも濃ゆし、と言うように母親と娘の場合は、親子べったりが多い。娘が買ってくれたものは少しくらい気にいらなくても、安くても高価でも良しよしである。また、そうでなければならない。この歌を読んだ限りでは、首のまわりに重くも軽くもなく、シルクか何かに包まれたような暖かさを感じたのである。

 もともとプレゼントされた品物が良いのだと思われるが、とかくこの種の短歌を詠むと本人や家族の自慢が顔をのぞけて来るものである。品物が良いとか、ヨーロッパみやげとかカラット、パールなどの言葉が入ると、本人はその気がなくても自慢ごころや、必要以上の自己主張になる。この歌には、読者への強要がなく、プレゼントを素直に喜んでいる作者の横顔が見える。

(池田友幸)

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