足悪き伯母の縋る手引き登る「なあーんと大きい」鳥取砂丘

掲載号 04年10月16日号

前の記事: “夕風の波止場に来れば船虫らわれの歩幅に群れて退ぞく
次の記事: “瀬戸田町長選の争点【5】島にとっての合併条件

河内 せい子

 歌の意味はきわめて解り易く、はじめて見る鳥取砂丘に驚きの声を上げているところである。「なあーんと大きい」、と思わず声になって出たのである。感動というか、素朴、素直な感嘆詞である。

 雑誌で見たり話などで聞いてはいたが何故かこの地を訪れる機会がなく、百聞は一見に如かずのとおりに、あまりの大きさ広さを砂丘のてっぺんに立って伯母と二人じっと眺めている。砂丘の東西の広さに眼をやりながら、また砂丘の入口から今立っている距離を目測しながら、足が悪いと言っている伯母を引き上げ押し上げの奮闘であった。「伯母さん先伸ばししているともう行かれなくなるよ」の実行案であった。何でも思い立った時が一番よいに決まっている。

(執筆者・池田友幸

E

トラックバック