朝食を六杯食べし友と登りパワーの違いを見せつけられる

掲載号 04年10月02日号

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岡野 幸子

昔から腹が減っては戦にならぬというお説のとおりにまずは腹ごしらえというところだろう。作者は毎年の大山の山開きに登っていると聞く、その時の身近な出来ごと、自分にひき比べながら面白く歌にしている。朝食を六杯(普通は一杯か)というからには、今どきとしては珍しい食欲家である。

 女性とか男性とかは何処にも言ってはいないが、人一倍に食べる人のことを、大喰いとか大食漢とも言うが、総じて物食いの良い人、好き嫌いがなくてたくさん食べる人の方が、よく働くし長続きがする。マラソンの高橋尚子さんもなかなか大食家だと聞く。一度に42キロメートルという長距離を走り続けるためには、体内のあらゆる部分を消耗しながらの競技であるので、量質ともに一般の人よりも多いということである。相撲取りやプロレスラーの巨漢は見るからに大食漢である。体と体のぶつかり合いという激しい運動を想像しただけでも大量なエネルギー源が必要となって来る。

 ところで、この一首はお茶碗のお替りを六回もしてから、いざ山頂へと向ったのだろうが、どのような差を見せつけられたのだろうか。「うーん、やるわねえ」と、作者は声を放ったかも。登山中にパワーの差がはっきり見えるときはどこだろうか、一歩一歩の歩きぶり・いつも先頭にいる・七合目でも出発点と同じ歩き・山頂についた時もにこにこしながら息ひとつ乱れない。山は登りよりも下りがしんどいというからパワーの違いが下山にもあったことだろう。元気一杯に働いてこその大食家であって、ぶらぶら遊んでいる人にはお茶碗一杯が適当のようだ。

(執筆者・池田友幸

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