法定合併協、リコール運動中断 合併出直し瀬戸田町長選挙 2候補出馬宣言

掲載号 04年09月18日号

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瀬戸田町選挙立候補者 合併問題をめぐる町政混乱の責任をとって柴田大三郎前町長が辞職したことに伴う瀬戸田町長選挙は10月19日(火)告示、同24日(日)投開票と決まった。前町議で会社役員田頭秀生氏(67)が16日、柴田大三郎前町長(59)につづいて、出馬を表明した。同氏は、昨年4月の町長選挙に立候補し、柴田氏と62票差の大接戦をくりひろげた。

 田頭秀生氏は今回の出馬について、「しまなみ海道を軸とする合併を推進していく」という従来の考えを強調したうえで、「選挙に勝利し、その結果をうけてただちに尾道市、因島市、瀬戸田町の三者協議を行ない、どの合併が良いのか早急に結論をだしたい」と語った。田頭氏擁立に動いた「合併を考える会」(前田嘉治代表)は18日(土)夜、瀬戸田町サンプラザ2階駐車場(雨天の場合は同ホール)で、リコール運動「お礼と勝利宣言」集会を開く。田頭氏は、この場で正式な出馬宣言を行う=写真下=。


瀬戸田町のため必ず勝ってください 尾道市長 亀田良一 記事は来週

選挙準備 急ぐ両陣営

 10日の町議会8対7の僅差で辞職承認をとりつけた柴田大三郎陣営は選挙体制の準備を急いでいる。後援会(塚本尊会長、中田豪一郎事務局長)は、事務所を「ゆーステイションせとだ」跡地に決めた。前回の三原広域合併から尾道広域への180度転換した今回の選挙戦。戸惑う支持者の説得活動にあわただしい。柴田氏も各地の挨拶回りにいそがしい。リコール署名が、10日現在で3500人以上に達していたことに追いつめられた町長辞職であるだけに柴田陣営の危機感は大きい。とりわけ、にわかづくりの「尾道合併政策」ゆえにどうしても説得力にとぼしい。亀田尾道市長との合併の約束がまったくないなかでの一方的な「尾道合併」であるから、なおさらそうである。町民のなかでひろがる、「柴田さんは、当選したらまた三原合併にもどるのでは」という風評も、気がかりなところ。

 田頭陣営は、「リコール署名運動の勢いが、柴田町長を辞職に追いこんだ」と現状を評価する。ポイントは、昨年の町長選―住民投票―因・瀬法定協設置―リコール運動と高揚する住民のエネルギーをどこまでまとめあげられるかにある。そのためには、突然「尾道合併」に転じた柴田陣営の合併政策との違いを鮮明にし、「しまなみ海道を軸とした合併」について具体的に説明していくことが求められる。さらに重要なことは、6ヵ月後に合併期限がせまるなか、その合併をいかにして実現していくかである。

より先鋭な合併論争を

 柴田大三郎、田頭秀生両氏の出馬宣言をうけて、少なからず戸惑いが生れている。「両者とも尾道合併をかかげている。なぜ選挙をしなければならないのか、尾道との合併協議を急ぐべきだ」というものである。これは、柴田前町長の三原から尾道への転換によってひきおこされた現象である。したがって今回の選挙においては、ジグザグを繰り返す柴田町政の合併政策の是非が問われざるをえない。さらにそのうえにたって、平成の大合併のもとでの瀬戸田町の難しい舵取りを誰にまかせるのか。悔いを残さない徹底的な審判が注目される。

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