瀬戸田町長選の争点【1】前町長の豹変と信頼度

掲載号 04年09月18日号

前の記事: “因島市定例議会市長答弁 瀬戸田町との合併堅持し 尾道市と合併問題協議へ
次の記事: “法定合併協、リコール運動中断 合併出直し瀬戸田町長選挙 2候補出馬宣言

 誰が予想したであろう。9日の辞職記者会見の席上、柴田前町長は、「三原は無理。合併特例債を受けるために尾道との合併をめざす」と言い放った。話を伝え聞いた町民は耳を疑った。それも無理はない。7月の住民説明集会で三原シフトを堅持する町長から、特例債はいらない、17年度の合併は無理で18年度をめざすと説明を受けたばかりである。

 なにしろ柴田前町長の三原志向は一徹だった。平成14年4月に尾道広域からの決別と三原行きを宣言。それ以来、三原をめざして町長に三選。住民投票を軽視して因・瀬法定協からの離脱などと、一貫してしまなみ海道を軸とした合併の方向に反対してきた。

 そうした経過から、亀田良一尾道市長ら尾道側とはいわば断絶状態が続いていた。8月20日の亀田市長の瀬戸田町役場への訪問に際しても、会話すら十分できず10分ぐらいでお帰りねがったという。

 事情に詳しい人は、「柴田さんに尾道市と話ができるはずがない」と厳しい評価を下す。また、「まだまだどんでん返しがあるかもしれない。当選したら、やっぱり尾道とは無理だった。17年は間に合わないので18年には三原に行こうとなるのでは」と、まことしやかに語る住民が多い。猫の目のように二転三転をくりかえして、住民と周辺住民を振り回してきた柴田町政。あまりにも、そのつけは重い。

 柴田前町長の豹変に因島側は合併交渉相手が当面いなくなったわけで、9月定例市議会閉会後、尾道市に対し合併問題に関する協議を申し入れることになる。だが、瀬戸田町長選挙結果次第では合併協議再開もありうるという流動的な面も残されている。

青木忠

[ CM ]
因島運輸広告

E

トラックバック