(財)日本棋院創立80周年記念 囲碁殿堂資料館今秋オープン 家康ら三人と秀策が殿堂入り

掲載号 04年06月05日号

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 (財)日本棋院創立80周年を記念して東京・市ヶ谷の本院に今秋オープンする囲碁殿堂入りを決める第1回表彰委員会が5月28日開かれ、江戸時代に囲碁界に貢献した顕彰者4人を選んだ。その4人は徳川家康(1542―1616)▽本因坊算砂(1559―1623)▽本因坊道策(1645―1702)▽本因坊秀策(1829―1862)。

 囲碁の歴史は仏教とともに中国から日本に伝わったというからその起源は古い。碁盤に二人が相対し、タテヨコの計 361の目盛に一つづ黒・白の碁石を並べ、地を広く占めた方を勝ちとする遊戯―と、広辞苑にある。その戯は奥が深く、現代もアマ・プロをとわず世界中で研究が続けられている。

 こうした背景をもとに日本棋院は東京・千代田区の本館1階と地下1階に11月15日(いい囲碁の日)オープンを目指し囲碁殿堂資料館を建設中で、偉大な先人達や囲碁文化に花を咲かせた歴史を振り返り、未来に向うさらなる発展の場になることの願を込めている。

 今回選ばれた殿堂者の顕彰、企画は地下一階の囲碁殿堂ホールで囲碁発展普及に貢献した先人の功績を記憶に残し後世に伝える目的のコーナーに肖像レリーフと功績を掲げ展示される。

ノミネートは15委員の投票

 第1回殿堂入り表彰委員は元参院議長の斉藤十朗、作家の三好徹や中野孝次、元アマ名人の菊池康郎の各氏とマスコミ5社の担当部長ら15人が投票で選んだ。選考理由を要約すると、今回は江戸時代を限定。

徳川家康

 家康は、囲碁を好み大名や豪商らに奨励、本因坊家など四つの家元を京都から江戸に呼び寄せ扶持を与え庇護。御城碁創設の基盤を築き、近世囲碁発展の貢献者であるという。

本因坊算砂

 算砂は、一般的に知名度が低いが、近世囲碁の開祖といわれ、1603年に初の天覧碁を打ったことで知られる。日蓮宗僧侶で本因坊家開祖。

本因坊道策

 後世「碁聖」とたたえられる四世本因坊道策は、島根県仁摩町江戸前期の名人。段位を整えるなど近代碁の基礎となる棋譜を遺し、その実力は十段とも十四段とも評価された天下無敵の棋士。選考委員の投票は満票だった。

本因坊秀策

 十四世本因坊跡目で早世した秀策は、因島出身で幕末の天才棋士として有名。秀策流や御城碁十九連勝という前人未踏の偉業を達成。後世、本因坊―碁聖と仰がれ、近代になって漫画、アニメのキャラクターになって登場、子供や婦人の囲碁愛好者急増の起爆剤にもなっている。因島市は秀策にあやかって囲碁を「市技」に制定、まちおこしに取り組んでいる。

 なお、来年度の囲碁殿堂入りは江戸時代と明治。再来年度以降は現代まで広げて選考する。

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