身を飾ることなく生きしに宝石の通販カタログ今日もまた来る

掲載号 04年04月10日号

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石田 冨美子

人間には、一と口に派手とか地味だとは言い切れないものがあって、その人の性格なり、本来的な生き方なのである。人として社会生活をしていく上の身だしなみと言えるものでもある。

 この歌の中に出て来る「通販の宝石」ということから、いわゆる装飾品のネックレス・イヤリング・ペンダント・ブローチの類ではないだろうか。

 送られて来るカタログは全ページがカラフルでしかも廉価である。どのようにして住所を探り当てるのか、一度も買ったことがない不要な私に今日も来ていると思いながら郵便受から取り出しているのである。

 まことに迷惑と言えば言えそうだが、ビニール包装の封を切っただけで、他のちらし類と一緒に積み重ねたのかも。今の世の中はまさに物余りの時代であって、どんどんと物を捨てないことには、家の中に物が溢れかえって埋もれそうである。何を残して何を捨てようかと思い悩むこのごろである。戦前戦後の時代に無い無いづくしで育った六十代七十代の人間にとっては、どうも思い切って捨てられないのである。

 この歌には、身を飾るための宝石類と言ってはあるが、通販のカタログには日常生活のすべてが盛り込まれてあって、買う買わないは別として、結構楽しさを誘ってくれる編集と印刷がしてあるので、一読して捨ててしまうのが、惜しまれるカタログ集でもある。

 人はそれぞれに好きずきがあって、「私は通販大好きで楽しみなのよ」また、「こんどはどんな品物が来るかしら。」こんな人は、また捨てるのもあっさりと上手に捨てているようである。

(執筆者・池田友幸

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