すぐ横の放置畑の病害虫 べったりもらう我が家のミカン木

掲載号 04年03月06日号

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大西貴志男

 近頃は放置されたままになっているミカン畑をあちこちと見かけるようになった。作者のすぐ横の畑も放置されたままもう何年経つのだろうか。手入れも収獲もしなくなってもう四、五年くらい経っているのか。くず蔓が巻きついたり、人間の背丈ほどの雑草が生い茂ると、いつか病害虫もいっぱいに付着するようになる。自分の家のはいままで通りに年に何回も殺虫殺菌剤を撒布しているのだが、隣の畑から押し寄せて来る病害虫には手を焼いている。という嘆きをこめた歌である。

 人は誰でも夫婦揃って元気いっぱいに働いているときはなんとも思わないし、ミカン作りも面白いほどに渉るのである。二人のどちらかに何かあると忽ちお手上げである。すぐ横の畑というからには、放置する前には、お互いにミカンの出来を語り合ったり意見交換をしたこともあったものと思われる。まさにミカン畑の隣り組のようなものであった。お隣りはもう肥料をやっている、それでは我が家でも、といろいろと教わることも多くあったにちがいない。

 さてと、一歩引いて考えるときに、隣の畑の虫や病気にうちのミカン木が大打撃であると嘆いてばかりはおられない。病害虫も年ごとに抵抗力をつけて来ているし、新しい殺菌剤殺虫剤の撒布をしなければならないのである。病害虫の致死量を適正に量っての繰り返しの撒布。これから春の訪れと共に、虫や病気との鬼ごっこである。ミカンの皮の少しの汚れも、傷もので成品ではない。お客さんも頭の中では無農薬を言いながらも、つやつや・ぴかぴかの方にどうしても眼が向くのである。

(池田 友幸)

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