十六年の苦節をこめて握手する候補者の頬の陽焼けて削げおり

掲載号 03年04月12日号

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小林 基美

 十六年間とは、四期間を地方議員か首長をやったということで、選挙カーに乗って選挙区を駆けめぐっているところである。

 住民の一人一人に力をこめて挨拶をしたり、言葉で訴えている。わずか十日間ではあるが、陽焼けした頬の削げているところは、以前よりたくましくなっており、毎日の健闘ぶりが顔に現れている。

 十六年といえば、オギャァと生れた子供も高校生になるという年月であって、この年月には何度かの選挙という禊(みそぎ)を受けての今日である。

 春の四月は、日本全国どこでも地方選挙たけなわであるが、また桜の花見どきでもある。桜の花で野も山もいっぱいになることを昔の人は山笑うと言っていた。しんどい選挙が桜の花と一緒にやって来ると或る人の言である。車座になっている花見の席や桜祭りの会場に候補者が乗りこんでの宣伝合戦、握手合戦である。

 地方の小さい選挙戦になればなるほどに、親類縁者の多い方が有利である。いわゆる血縁、地縁の類である。日ごろは出会えば挨拶くらいの人でも、たちまちに濃い親戚になったり、義兄弟になったりする。候補者の主張や政策よりも、親戚代表、血縁代表の優先するのが地方選挙である。

 さて、このたびの因島の統一地方選挙はどちらを向いているだろうか。O候補の後援会のしおりとM候補の後援会だよりを読み比べてみると、誰が因島市民の為になる人かが歴然(れきぜん)とわかってくる。いま一度読みかえしてもらいたい。私達の清き一票の行くえは握手の回数ではなく、どちらの候補に政治力があるかである。

(砂文字・池田友幸

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