合併進路問う瀬戸田町長選 現職、柴田大三郎氏当選

掲載号 03年04月27日号

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8年間の実績を生かし新人田頭氏の猛追かわす

 瀬戸田町長選挙は、瀬戸田町投票所で投票が行なわれ、同町役場での即日開票の結果、0時10分ごろ当落が判明した。 激戦を制したのは、現職の柴田大三郎氏(57)。新人田頭秀生氏(66)の猛追をふりきって3期目の当選を果たした。

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 高根島の柴田氏自宅には早くから支持者がつめかけ、10時に始まった開票速報に耳を傾けていたが、当選確実の報が入ると、歓声が湧きあがり、万歳に移った。

 16年ぶりの町長選挙。無風予想のなか、内海造船と関連企業の全面支援を受けた、前町議の田頭秀生氏が出馬表明。それを機に、今回の町長選挙は、柴田町長のうちだす三原広域合併の方針の是非を問う、極めて政治性の高い様相を示し始めた。

 8年の実績といえども、今度が初選挙。同町の区長会連合会多数派の応援に依拠し、一つひとつの地域をていねいに固めるのに全力投球した。現職の有利さを徹底的に生かしきったことが、勝因となった。

 支持者を前に柴田氏は、「初めての選挙で苦しい闘いであったが、町民の皆さまの信任を受けてうれしい瀬戸田町の発展のために、三原市ら1市3町の合併を推進していきたい」と語った。

善戦およばず田頭氏あと一歩

 現職有利の前評判のプレッシャーに抗した、新人田頭秀生氏の立候補は、16年ぶりの町長選という新鮮な風を瀬戸田町に吹かせた。しかし現職陣営の防戦の前にブームをまきおこすまでにはいたらず、あと一歩及ばなかった。

 今回の選挙結果をうけて瀬戸田町は、三原広域合併にむけて一挙に進むことになろう。だが、それが大きな問題を抱えていることには変わりなく、同町の前途は多難と言えよう。

 三原市と真正面に向い合っての合併交渉となると様々な問題点が表面化してくる。3期目の柴田町政の真価が問われるのはむしろこれからである。

瀬戸田町議、出揃う 新人5人全員が当選

 町長選と同時に実施された瀬戸田町議選は、28日午前1時20分ごろ定数16人の議員が確定した。 当選議員の内訳は現職11人、新人5人。1人現職が落選し、立候補した新人は全員当選した。

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