元旦の計の一つのダイエット 小倉最中(おぐらもなか)に又目をやりぬ

掲載号 03年02月01日号

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河内せい子

 一年の計は元旦にあり、と言うように、新年を迎えるとなんとなく年頭の心構えのようなことを言ってみたくなるものだ。日記のはじめの年間計画に書き入れる人、墨くろぐろと書いて壁に張る人、家族の前で誓う人。

【1】一年間で3キログラム以上をダイエットしたい。
【2】一日に五千歩以上を歩く
【3】長電話をやめる

 これらはほんの一例であるが、どれもそれほど大ごとではなく、やって出来ないことはない。人によっては自分への元気づけで言う人もあるが、外からの誘惑、体調不良、本人の意志薄弱などでいつかずるずるとなる。

 作者は「私はなんと言っても三キログラムのダイエットをするわ」と、元旦の計を日記のはじめに書いては見たのだが・・・というところでこの歌が出来たのである。どうも食卓に置いてある最中(もなか)の箱が眼の先にちらつくのである。食べるか食べないかは私が決めたことなのだから、最中一つくらいは関係ない、という結果にはならなかったと思われる。

 古い言葉で、最中のことを十五夜の満月とよばれていた。最中も以前は満月のように丸い形をしていたことからその呼び名が出来た。最中はモチ米の粉をこねて薄く延ばし、これを外皮として二枚併せにして中にアンコを詰めた和菓子である。はじめはどれも丸い形をしていたが、真四角・長方形・花模様・魚形というように、その地方によっての特性を現した土産物となった。小倉という呼び名の由来は、京菓子の上品さおいしさのこめられた京都の小倉山からの名付けのようだ。小倉アメ・小倉ヨウカン・小倉汁粉もあるようだ。

(砂文字・池田友幸

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