昼に見られる蛾の仲間

気温が上昇し、野山では昆虫が活発に動く季節になりました。今回は、昼によく見る蛾の仲間を3種類紹介しましょう。

カノコガ

カノコガ

6月頃と9月の年2回羽化し、翅にかのこ鹿子模様のある、横幅(開帳)35mm程度の小さな蛾です。昼間に飛ぶ蛾の代表です。

フクラスズメ

フクラスズメ

成虫は7-8月頃と秋に現れます。しかし昼間に見られるのは幼虫だけで、黒と黄色に彩られ白色の長い毛を持ち、非常にきれいです。しかし驚くと、体の前半を背の方にそらし左右に激しく振って威嚇態勢をとり、口から緑色の液をはきます。カラムシやヤブマオなどイラクサ科の植物の葉を食べます。

ホタルガ

ホタルガ幼虫 ホタルガの成虫

この蛾も5-7月と9月頃の年2回羽化します。昼間飛び回りますが、夜間灯火に来ることもあります。夕方の薄明かりの中を羽ばたいたりすると、なかなか幻想的です。頭が赤く翅が黒いのがホタルの成虫を連想させるのでついた名です。幼虫はヒサカキやサカキの葉を食べ、葉間にまゆ繭を作ってさなぎ蛹になります。

蝶と蛾は、どちらもりんしもく鱗翅目(チョウ目)の昆虫ですが、厳密な区別はありません。一般的には蝶は昼活動し蛾は夜活動しますが、今回紹介したように例外は多数あります。完全変態し、卵から幼虫になり、蛹を経て羽化して成虫になります。幼虫はどちらも毛虫や芋虫の姿をしたものがありますが、非常に美しいものも数多くあり、観察の興味は尽きません。

筆者紹介

駄賀恒男
駄賀恒男森林インストラクター
因島の自然を紹介していきます。紹介するのは、森林インストラクターで尾道市因島重井町在住の駄賀恒男(だがつねお)です。

定年退職して因島に移住し、2001年3月から月1回「いんのしま・まるごと自然観察会」を開催しています。その間因島に住むいろいろな動物・植物・キノコを見てきましたが、その中から季節ごとの、とっておきの生き物情報をお届けします。

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