自分たちさえよければいい―という考えに世論はどう対応すればいいのかという問題点

掲載号 06年07月01日号

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 ホリエモンに続いて村上ファンドの手法が司直の手であばかれようとしているが、それ以前の諸問題に国民の声は憤懣やるかたない。

 武部幹事長や竹中大臣がホリエモンの信用増幅を担ったように今回は日銀総裁が村上ファンドの宣伝隊長をつとめていた。ファンド(基金・資金)は、一般にいう投資信託で不特定多数の投資家から集めた資金を株や債権に投資して配当金を出資者に支払う。うまくいく場合とそうでなく損することもある。

 ファンドの資金を売り買いするマネージャーは競馬の予想と同じで「的中率」がよくないとお客は集まってこない。そういう意味では村上ファンドが福井総裁の1千万円を2千万円以上にしたのだから社会的に後ろ指を指されても投資家にとって優秀であったわけだ。

 だが、自分たちさえよければいい―という考えに世論はどう対応すればいいのかという問題点を投げかけた。失敗すれば財産や家族まで失う中小企業経営者や額に汗する製造業従事の人がよっぽど大事である。

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