旧姓を呼ばれてハッと振り向けば互いにときめく同窓会

掲載号 06年03月18日号

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柏原 麗子

 同窓会と言ってもいろいろとあって、この歌の内容から見て、小、中、高と卒業してから何十年経った再会なのであろうか。

 「鈴木さんでは!」と、もうとっくに忘れてしまいそうな昔の名前を呼ばれた、ほんの一瞬考えたがアッ!私のことではと振り向いてしまった。そこには「あなた山本さん」お互いに同窓会名簿の一覧を見て知識としては解っていたけれど、こうやって実際に顔を合せると心にときめきをおぼえたのである。この場面は女性同士か男と女なのかは述べてはいない。男女の方がドラマチックで面白いには違いないが、おとなしく女性同士の設定にする方がわかり易い。でもときめきを感じるということは学校時代にはかなりの深交の間柄ということが出来る。

 手を握り肩を触れ合っての喜びだったに違いない。「あれから何年目」「そうそう一度も会っていないわね」。歳月は人を待たずと言うように、人を変え、世の中は変り、嫁いだ男性によって奥様然(ぜん)としている人も、キャリアウーマンとなり、生き生きと輝いている人もいる。女性が幸せになるのは男しだいだと言うが、現在は、反対の女しだいだと言われている。

 とにもかくにも、何十年振りだから話は止まらない、あれからのこと、現在の家族構成や子供のこと、中には今日の日のファッションも忘れずに喋っている

 人は世の中の波にもまれると世間ずれがして性悪になるというが、その人が生れながらに持っている性格はそんなに易々と変らない。素直さ素朴さが心をときめかせたり、ハッと感じさせるのである。いつの同窓会でもこの気持を忘れずに参加することである。

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