中国特需の造船界「寝耳に水」【3】日立造船 2月末に子会社株を売却 内海造船筆頭株主は投資会社

掲載号 06年03月04日号

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内海造船因島工場

 2月の連休前日の10日午後3時30分、内海造船本社のある尾道市瀬戸田工場で1枚のコピーが配布された内容は日立造船の子会社である内海造船株の53%のうち33%を投資会社カレイド・ホールディングスに売却することを役員会で決定したという内容だった。社内、協力関係者にとっては「寝耳に水」。動揺は隠し切れなかった。

 そして連休明けの13日、内海造船嶋末幸雄社長から朝礼ニュースが代読された。題名はプレス発表について(本文通り)

 皆さんもプレスその他で見られたことと思いますが、平成18年2月28日に、当社の筆頭株主が、日立造船株から株式会社カレイド・ホールデイングに変更になる予定ということが、2月10日に発表されました。

 ただし、日立造船は第2位の主要株主で当社の株を20%強保有しますし、現在の経営陣等の異動もありません。また今回の発表が、当社の17年度の業績に与える影響は全くありませんし、今後の経営体制、経営方針は変わることがなく、従業員の皆さんは何も心配することなく、今までどおり頑張ってください。

 私が今まで説明しているとおり、我々は今後どのような状況になろうとも黒字を必達し、独立独歩で内海造船の力だけで生きていかなければなりません。

 内海造船が、今後も中堅造船所として確固たる企業であるためには、3工場が一致団結し、今まで以上にコミュニケーションを良くし、全員で経営努力に努める事が、何にも増して大切です。今後も従業員の皆さんの絶大なるご協力と、さらなる努力を心からお願いします。

 従業員にとっては、目が覚めると会社と従業員が売られていたと思うと、何か割り切れない気持ちだったという。だが、今はそれどころではない。「造船復活に乗り遅れないよう頑張らなくちゃあ」と、この問題は一件落着しているようだ。

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