船員労働安全衛生月間 災害防止のために大会 国際線ジャンボ機長が講演

掲載号 05年09月12日号

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 船員災害防止協会中国支部因島地区支部(弓場丞支部長)は8日、芸予文化情報センターで、船員、船主企業主など約100人を集め、第回尾道・尾道・木江地区船員災害防止大会を開いた=写真=。


表彰を受ける土生商船柳田耕助氏

 9月1日から30日までの1カ月は船員労働安全衛生月間。海上での船員労働安全衛生思想の普及、自主的な活動の促進により船員災害の防止を図ることを目的に昭和32年から全国各地で実施されている。大会では主催者挨拶のあと、同協会中国支部長功労賞が、吉梅千夫=(有)家老渡フェリー汽船と柳田耕助=土生商船(株)の両氏に授与された。

 大会の中心は、元全日空機長の松岡正さんの講演「国際線ジャンボ機キャプテンの安全管理」である。同氏は、機長時代の厳しい訓練の内容を報告したうえでそれでも事故が起きていることを指摘し、安全管理の重要さを説いた。

減少しない災害 実効のある対策

 大会の最後に船員災害防止大会宣言が発表された。船員災害が減少していないことが指摘され、改めて実効のある取り組みが必要であるとした。本年度の重点対策は、

  1. 「海中転落」などの防止による死亡災害の減少

  2. 多発している「転倒」と「はさまれ」(ロープなど)の防止

  3. 船員高齢化に対応した災害防止対策、生活習慣病の予防

  4. 「椎間板障害と腰痛」の予防と「睡眠時無呼吸症候群」の周知と指導。
 船員の死亡災害の半数が海中転落死で、その4割が職務外。一人ひとりの適切な行動が大切であると強調されている。船員2人に1人が50歳以上になりつつある。そうしたなかで、船員の疾病の半数以上を「生活習慣病」が占めている。船内での食生活の見直しによる顕著な改善を期待している。

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