記念曲・紙芝居・証言で三庄空襲の犠牲者を追悼 しまなみ苑に150人集う

掲載号 05年07月30日号

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 太平洋戦争の末期に米軍よって行われた因島市三庄町民家への空襲の犠牲者を追悼する住民集会が23日、空襲を受けた日立造船三庄工場跡地に建てられた「しまなみ苑」で開かれ、約150人が参加した。

 集会では、おそらく60年で初めて思われる犠牲者への住民による黙祷が行われた。被害の実相の調査が進んだことでそれは可能になった。つづいて参加者は、この日のためにつくられた記念曲「平和の誓い」を作曲者である宮地佳余美さんのピアノ演奏をバックに全員で歌った。

 体験者の話に基づき、空襲の実相を描いた紙芝居が原作者の田子森早苗さんら12人によって演じられた。

 体験者の話では地元の矢野一夫さんが、叔母にあたる秋月柳(りゅう)さんが空襲でなくなった状況を証言した。さらに、幼い妹2人を失った宮林積さんが、その悲しさをビデオで語った。会場には地元市会議員ら5人の議員が出席した。

 因島空襲は、昭和20年の3月19日と7月28日の2回あった。民間人だけで90人をこす犠牲者が出たと言われている。

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