【傍目八目】白羽の矢が立った新瀬戸田町長

掲載号 05年07月16日号

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 白羽の矢が立つ―ということわざがある。大勢の中からとくに選ばれて指名されるというのが一般的解釈である。語源を調べてみると、昔、人身御供(ひとみごくう)を選ぶ神が、選んだ少女の家の屋根に白羽の矢を立てたという俗信(迷信)かららしい。

 混迷する瀬戸田町の合併を成就させる最後の町長に無競争で選ばれた高本訓司さん(56)。選ばれたというより白羽の矢が立てられたと言うのが正しいかもしれない。

 平成の大合併の相手先をめぐって三原―因島―尾道と住民の選択肢は分裂した。単独瀬戸田町存続説もあった。住民投票―町長選と選挙疲れと政治不信に陥った町民の中には「もう選挙はこりごり」―というムードが蔓延していた。

 責任を感じた元町長や町議の談合でとりあえず町長が誕生したが、住民不在の舞台裏工作を民主主義の裏切り工作だという批判の声もある。堂々と選挙をさせればいいではないかというわけ。出直し選挙は一年ももたなかったが町議会の今後のあり方に注目したい。

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