尾道合併前哨戦の因島市議選 17日告示24日投開票20当2落 有権者の盛り上がり今ひとつ

掲載号 05年04月09日号

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 地方分権の名のもと、国の主導で進められた平成の大合併。アメとムチの特例法は3月末で失効。因島市は紆余曲折のあげく尾道市への編入合併が決まった。この間、住民は賛否両論に分かれたが今回の合併問題で政治意識は高まった。こうした背景のなかで因島市制最後の市議選が17日告示され1週間の選挙戦に入る。投票は24日市内19投票所で行われ午後9時から土生小体育館で開票される。

 立候補予定者(9日現在)現職19、元1、新2の22人で、20議席のイスをめぐって「20当2落」の少数激戦。来年1月10日の尾道合併で改選される8議席を視野に入れた前哨戦組や瀬踏み組。特例法による年金獲得組など腹の内は千差万別。尾道組は限度一杯得票を重ね上位をねらい、瀬踏み組は安全圏の800票台に照準を定めての選挙戦。3期目の年金組はとにかく当選をめざしカケに出ている。だが、今回の市議選上位8位が尾道市議になれるわけでない。オリンピック予選とは訳が違うわけで、年があければ地縁血縁、組織母体など総合した新しいワク組みの選挙となる。


因島市議会議員立候補予定者(4月9日現在、会派・政党グループ)

尾道合併視野に各会派内で熾烈(文中敬称略○印当期)

 3会派、5党の因島市議会の中で旧日立・民社(民主党系新生ク)は、田頭弘美64=中庄(3期)▽榎本清文54=三庄(3期)▽村上弘二57=田熊(2期)の3人。かつて日立グループが7議席を占めていた時代もあったが須沢弘明議長70=土生(4期)の引退で3人に減った。労組出身の村上弘二は前回僅差で公明・清水通秀64=重井(5期)にトップをゆずったが、今回も須沢票の上乗せで上位は固い。日立OBの田頭は地域票に支えられ尾道圏に視線を向けている。アイメックスの榎本は地元票がカギ。民主党系でも佐藤代議士系旧自由党の青木亮介53=大浜(3期)村上泰通61=重井(2期)は地域代表的存在で手堅い。

しのぎ削る自民党候補

 亀井代議士系自民党を名乗るのは山本正幸56=原(2期)▽村上光55=土生(1期)▽楠見公史68=三庄(1期)▽吉田尚徳64=外浦(2期)(再生ク)の4人が党公認。新人の村上醇二58=重井が党推薦。森康光56=三庄(2期)無所属も加わり6人が地縁血縁をたどって火花を散らしている。

革新組織 個人票に注目

 共産の岡野長寿47=田熊(2期)は地元票を主軸に父子二代の「自由共産党」が代名詞になっている。社民の大崎金吾52=田熊(3期)は市職が母体。新社会の上田栄司46=中庄(1期)は教組と解放同盟組織を母体に2期目に挑戦

伸び悩む無所属

 自由党から無所属になった前議長の巻幡伸一58=中庄(5期)は是々非々を通し、大出金三62=重井(2期)は自民系の会派を出て抵抗グループに入りひんしゅくを買った。市政クの長田丕59=洲江(3期)▽毛利明夫56=三庄(4期)はリーダーの元議長で7期連続当選の村上博徳64の引退後が注目。須沢は村上弘二、榎本に、村上富男は自民党に票田を引き継いだが、思惑通りにはゆかないようだ。

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