草ひけばときに飛び出す長いもの大ミミズの如きに肝冷やしおり
掲載号 05年04月02日号
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松井 年幸
日頃から蛇が恐い恐いと思っていると、少し太目のミミズを見てびっくり仰天したという、笑うに笑えない、また、日常的に誰でも出合う出来ごとであるが、それは男性、女性、あるいは子供だからということでもなく、体質的に蛇という話を聞いただけでも体中に鳥肌が立つという人もいるし、一寸気持が悪いと言う人もいるようだ。
これから、春の彼岸も過ぎて桜の開花につれて、草木の芽も鳥や虫たちもごそごそと動きが活発になって来る。人間さまも春野菜でも植えようかと土壌作りの草取りをしているときに腐葉土の中から大ミミズが現れたということだが、ミミズは土壌作りの担い手と言われており、土と落葉をうまくかき混ぜてくれるのはミミズであって、果樹園でも野菜畑でもうようよとミミズがいる方がよい。しかし蛇も適当な湿気を好むし草取りをする草の中に蛇の類がひそんでいないとは言い切れない。あらかじめ作業をする草むらを鍬か竹の先で叩くのも一つの方法でもある。
昔の子供達は現在のようにゲームも遊び道具もなく、小さな蛇(カラスヘビ)を捕まえてポケットに入れたり、腕に巻き付けたりして強がって見せる子もいた。友だちに臆病者(おそれんぼう)に見られたくないために、蛇の尻尾をつかんで振り回して路面に叩きつけたりして遊んだものだった。しかし、人間の腕ほどの蛇に出合ったときには心臓がどきどきして足がすくむようであった。この歌はミミズであって胸を撫で下ろしただけで済んだが、マムシ(毒蛇)にはくれぐれも注意することである。
(池田友幸)
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