因島市議選立候補予定者出揃う 現19、元1、新3が出馬表明 20のイスめぐり少数激戦の様相

掲載号 05年03月26日号

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 平成の大合併も一段落。来年1月10日には尾道市へ編入合併されて因島市がなくなり首長も議員も解職となる。今回、4月17日告示24日投開票される因島市会議員選挙は、昭和28年の昭和の大合併で誕生した因島市制以来14回目となる。

(文中敬称略謝)

 議員定数は1回から8回まで30人だった。オイルショックや造船業界の構造的不況の波をかぶり税収にかげりが見え行財政改革が叫ばれ始めた昭和60年の第9回は定数3人減の27人。平成元年の第10回は、3減の24人に。同5年の第回は2減の22人。今回の同9年は2減の20議席。

尾道合併を視野に因島最後の市議選

 今回の市議選は、合併目前の因島市の幕引きまでの任期約8カ月。従って、昨年の秋風が吹くころは合併特例法の条例を活用して行政推進員(月額報酬15万5千円)と参与を設置、引退する市議の受け皿にする無競争工作の裏話がねられていた。ところが、予想外だったのは任期8ヵ月間という市議選に新人の出馬が相次ぎ羊頭狗肉の策は水泡に帰した。

 こうした背景のなかで、現職5期20年の経歴を持つ村上富男氏(58)=田熊町・自民=が引退表明。3月市会最終日には噂されていた7期26年の最古参で元議長の村上博徳氏(64)=無所属▽現職議長、須沢弘明氏(66)=土生町、民主=が引退のあいさつに立った。そして、再出馬予定の現職19人に対しエールをおくった。

地盤変動の土生大票田

 現職引退で地殻変動をおこしているのは大票田の土生地区。4ヵ所の投票所の有権者は約5300人(投票率約83%)。前回市議選立候補予定者は4人で、村上光(846票)▽金山吉隆(790)▽須沢弘明(749票)▽村上博徳(724票)の計3109票。全員当選だった。

 今回は、村上光=自民・現▽金山吉隆=無・元▽宮地寛行=無・新の3人が出馬を表明しているが、毎回大票田の草刈り場として各候補が攻め込み、地元引退議員の知縁票は地区外に流れる要因が多いため予断を許さないだろう。

 新造船撤退で町の灯が消えた土生地区。いま、長いトンネルから抜け出し、造船関連業界の復活という明るい話題もある。少子高齢化で町は沈みかけているが土生地区復活の活性化リーダーを求める声は消えてはいない。

自民の灯が消えた田熊

 前回の最激戦区は田熊町だったろう。2投票所で有権者数約3500人のなかで6人が立候補。トップ当選は公明党にゆずったが村上弘二(54)=民主・現(1120票)2位▽村上富男(54)=自民・現(1063票)3位▽大崎金吾(49)=社民・現(810票)▽岡野長寿(43)=共産・現(732票)▽岡野孝志(55)=無・新(730票)▽岡野博行(56)=無・新(578票)と、計9878票を獲得。町内有権者よりも6300人多く支持を得た。このうち、自民の村上富男と岡野博行の2人が不出馬で田熊地区出身の自民党の灯が消える。

新人出馬で東生口異変

 昭和の町村合併で因島市に編入した東生口は3月2日現在の有権者数1452人。前回、2人が出馬。山本正幸(52)=自民・新(713票)▽長田丕(55)=無・現(655票)で、原地区を山本が。洲江地区を長田が死守した。今回も厳しい選挙になりそうだ。ここに来て、原地区の波戸岡伸夫(60)=シトラス農園経営、瀬戸田高校卒=が民主党公認を申請。同級生の支持を得て立候補の準備を進めているという噂もあり、現職にとっては不気味な存在となっている。

新人出馬で重井地区混戦

 自民党の推薦を受けて村上醇治(58)の出馬表明で安泰ムードの村上泰通(57)=民主・現(810票)が危機意識から市民党を掲げきめ細かな選挙準備を進めている。一方、前回選挙で自民系の支持を受けた大出金三(58)=無・現(883票)は、与党から抵抗派に変身したため支持者層も変わり重井地区の選挙地盤に変動が生じている。前回トップ当選の清水通秀(60)=公明・現(1307)は前回同様、村上弘二=民主=とのトップ争いを演じ尾道市議への布石の道筋を狙う。

現職4人が激突の三庄

 クジ引きで議席を分け合った三庄地区。今回も一区から毛利明夫(52)=無・現(632票)八区の楠見公史(64)=自民・現(632票)▽三区、森康光(52)=自民・現(716票)▽九区、榎本清文(50)=民主・現(674票)の4人の現職が競う。かつて市長3人、県議、助役を輩出した三庄町民の目は厳しい。旧民社OBの根城的な環境も残っている地域もある。

因北校区は現職5人

 中庄、西浦、外浦、大浜の因北校区は前回7候補が出馬したが、今回は現職5人が駒を進める。上位当選の常連となっている田頭弘美(60)=無・現(1111票)に外浦の吉田尚徳(60)=自民・現(834票)が上位を狙っている。大浜の青木亮介(49)=民主・現(811票)▽西浦の巻幡伸一(54票)=無・現(769票)▽上田栄司=新社・現(721票)も地盤を分けあっている。

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