英国人元捕虜家族ら60年ぶり遺族と対面

掲載号 05年03月12日号

前の記事: “年賀状絵手紙で因北小学校1年の岡野靖奈さん中国支社長賞
次の記事: “合併で揺れる瀬戸田町議会 大詰めに来て正副議長辞任 尾道合併議決に影響も

 第二次世界大戦中、東南アジア各地で日本軍の捕虜となった元イギリス兵とその家族たちが10日、日英交流のために来因。この訪日団は、ロンドン在住の恵子ホームズさんが主宰する元捕虜と日本との「心の和解」を呼びかけている英国の民間団体「アガペ」(新約聖書で記されているギリシャ語で神の愛=無償の愛)が1992年から毎年企画している「心の癒やしと和解の旅」の一行24人である。

 今回の来因メンバーの一人である、パトリック・ファロンさん(83)は、元捕虜として土生町の日立造船因島工場で強制労働を体験しており、60年ぶりに家族とともに訪れた。捕虜時代に親切に世話になった日本人従業員の正原福松さん=故人=の遺族らにも会い、感謝の気持ちを伝えた。

 ファロンさんは「思いきって因島に来てよかった。昔とはずいぶん変わり現代的になった。再び因島に来られて正原さんご家族と会えて幸せだ」と話していた。

 日立造船因島工場や収容所跡地(三庄町8区)を回った後、捕虜の遺骨塔がある無量寺(三庄町5区)を訪れ、収容所で亡くなった元イギリス兵捕虜13人を法要した。写真はパトリック・ファロンさん(前左)と正原さん遺族(ナティーク城山にて)

E

トラックバック