島に生きる【47】生口島は千頭近く繁殖 農家はイノシシ被害深刻

掲載号 03年09月20日号

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 生口島のイノシシの被害は深刻で、住民との智恵比べがつづいている。7月6日、東生口洲江町の正善寺で行われた「虫おくり行事」を訪れたところ、参加者から「今の最大の害虫はイノシシだ」との話がだされた。10年前から困り始めていて、現在、生口島、高根島の全域で1000頭近くいる。毎日、夕方になると里におりてきて、かんきつ畑や野菜畑に現れ、畑を掘り起こして餌をあさる。

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トタン板のイノシシ防禦壁

 イノシシの好物は、ミミズ、セミやカブトムシなどの幼虫、冬眠中のヘビ。さらに甘味の強いミカン、ネーブルなど。カボチャ、トウモロコシ、芋類。庭の花壇にあるユリ根。幼虫をあさって柑橘の根元を掘り返す。それが、木が枯れる原因なったり、水害につながる場合もある。枝を折り、ミカンなどを食べるので、さらに木は弱る収穫まぎわの野菜類を食べ荒らす。ユリ根を探しに庭先にも出没する。飼い犬も恐れて家の中に逃げ込む有様である。

 毎週日曜日には因島と瀬戸田の猟友会が出動するがそれを察知して山奥にかくれ、夕方になったら、また現れるという。ワナにもなかなかひっかからない。東生口では年間約150頭捕獲されているというが、繁殖数になかなか追いつかない。

 昨年来、因島側でもイノシシの被害が報告されている。昨年秋、中庄町で5頭が捕獲されて以来、因島のほとんど全域で、柑橘畑の被害がでている。

 「言わんことじゃない。10年も前から、因島でも同じ被害が出るよ、と言ってきたじゃあないか」

 と東生口の住民は手厳しい。

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