因島市当初予算案一般会計97億余万円 尾道合併への道筋に重点 造船好転で8年ぶり増収見込み 賛否とわれる行政推進員条例

掲載号 05年02月26日号

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 因島市は22日、平成17年度当初予算案を発表した。一般会計総額は97億 600万円。前年度比2.7%減で3年連続の減額予算だが、前年度当初予算に含まれていた減税補填(ほてん)債の借り換え分を除けば、実質1.3%増。

 来年1月に尾道市との合併を控えて、それに道筋をつける堅実な予算としている。言い換えれば、大型事業は合併後に後回しにした地味な予算である。

 一般会計の歳入では、造船関連の受注の好転を背景に市税を3.2%増の25億 303万円。市税収入の増加は8年ぶり。財政調整基金から4億4270万円を繰り入れた。

 歳出では、人件費など義務的経費が 14.2%減。投資的経費は、9億5千399万円で 65.4%の大幅増加。道路整備に1億千100万円、奥山ダム事業費2億円、特別養護老人ホーム整備費5千320万円など。

 合併後の新市建設計画につなぐものに、因南中学校敷地予定候補地である旧因島高校土生校舎の耐震診断などや温水プールの建設調査費などが計上された。

 一般会計と特別、企業会計を合わせた当初予算総額は、203億7千800万円で2.4%減。3月1日からの定例市議会に提案される。

賛否とわれる行政推進員条例

 合併に道筋をつける堅実型予算という基調のなかでとりわけ物議をかもすのは、合併調印、議決、市議選後の行政推進員と参与新設への疑問である。つまり、合併について知識経験を生かし市長の求めに応じ意見を具申する非常勤嘱託員制度の条例案。

 4月に改選される議員とは別に行政推進員を設けそのために1576万円(報酬分1395万円)もの予算を計上。また、助役とは別に月額報酬15万5000円の参与を設けるというもの。

 この条例は、行政と議会が秘密裡に準備してきた。市民にとって寝耳に水である。市民のなかで疑惑と怒りが広がる一方である。

 行政側は、道路や災害対策、福祉、教育に重点配分したとするが、福祉予算の削減は気がかりである。地域の福祉活動は、行政が社会福祉協議会に委託し、それを助成することで進められている。その補助金は毎年減額されている。

 平成12年には3251万円あったものが毎年減額され、新年度予算では1770万円にまでに減らされている。来年に尾道市との合併を控え他地域との差は歴然であり、因島市の社会福祉行政の貧困さが浮きぼりになっている。

3月1日から定例市議会

 因島市議会は、3月1日(火)から18日(金)まで18日間の会期で、定例会を開く。平成17年度当初予算案や合併関連議案などが提出される。

1日=本会議
2日=本会議
3・4・7日=本会議・総体質問
7・8・9日予算特別委員会
10日~14日=分科会・常任委員会
16日=予算特別委員会
18日=本会議・採択。

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