合併後の因島議員定数 来年8人で尾道市議選 再来年は6人配分か

掲載号 05年02月19日号

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 尾道市との合併調印を3月に控えている因島市議会は、2年間で3度の選挙という前代未聞の事態に見舞われようとしている。

 まず合併とは関係なく、今年4月24日に定数20人の通常選挙。来年1月10日の合併直後に定数8人で尾道市議選の増員選挙。再来年は尾道市議員の任期満了に伴う定数34人の選挙とつづく。ここまでは合意が成立しているが、34人の議員をどのように選出するか、まだ決っていない。

 尾道市側は、単独過半数を確保できる合併直後にあるすべての増員選挙終了後の議会(定員45。尾道26、御調3、向島5、因島8、瀬戸田3)で決めたい意向を示している。しかも因島側などが求めている単一選挙区による選挙ではなく、すべての地域に分区し、尾道20、因島6、向島4、御調2、瀬戸田2の定員で行うものと言われている。

 尾道側は、なぜ分区による選挙にこだわるのか。その理由は明白。単一選挙区では旧尾道市の議員が不利だからである。旧尾道市以外の地域は増員選挙を実施し、その勢いを引き継いで本選挙に臨んでくる。

 旧尾道市側にとって頭が痛いのは、都市部に生れている選挙に対する無関心層の拡大化傾向である。それは投票率に顕著にあらわれてきており、人口比は必ずしも選挙結果に比例しない

 投票率は、軒並み周辺部=島嶼部が高い。例えば、前回の尾道市議選の投票率が68.71%、因島市88.00%である。しかも選挙基盤は中心部が不安定で、周辺部=島嶼部がより強固である。単一選挙区と全地域分区のどちらで選挙を実施するかで、選挙結果はかなり変ってくると予想される。もともと単一選挙区での選挙を求めている因島市側の動向が注目される。

因島市行政推進員条例 3月定例市議会提出へ

 この間、非公開のまま議会で協議がつづいてきた「因島市行政推進員条例」は3月上旬に開かれる合併と予算の定例市議会に提出される。

 この条例は、尾道市との合併を来年1月に控え、住民と市との連絡と調整をはかるものとされる。メンバーは10人以内で、有識者のなかから市長が委嘱する。

 任期は、平成5月20日から来年の合併前日の1月9日とされる。なぜ5月20日なのか。5月19日までが市議会議員の任期であり、4月選挙に出馬しないで引退した議員が行政員になる道が開かれている。引退議員を優先して行政員にすべきとする有力な意見もある。

 報酬は、公民館館長なみの15万5000円くらいと見られている。議会内には賛否両論がある。実質2カ月の合併協議では何も決っていないに等しい。法定協が無くなるわけだから、是非とも必要とする賛成派。お手盛りとの市民の批判はまぬがれない4月選挙で引退する議員の救済に過ぎないとする反対派。

市民感情逆なでのお手盛り条例

 こうした議論が、4月の市議選に水をかける影響を与えていることは、間違いない。本来、市議選を真剣に闘い、選出された新しい議会が中心になり、合併に向けて市と住民との連絡と調整を行っていくのが基本であろう。そうでないならば、何のために市議選を行うのか、わからなくなってしまう。議員自らが市議選を無意味化するという行為は、厳しく慎むべきであろう。

(青木忠)

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