創立50周年を迎えた養護老人ホーム「因島市寿楽園」 行革と合併、注目される行方

掲載号 05年02月05日号

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 養護老人ホーム因島市寿楽園(因島市原町TEL 0845-28-0029、宮地徳満園長、職員19人、入所者50人)=写真=は、昨16年6月で創立50周年を迎えた。

 昭和29年東生口の洲江町に因島市養老院として創立。同年因島市寿楽園の名称になり、同49年、法改正にともない養護老人ホーム因島市寿楽園になる。さらに同58年、原町の現在地に移転し、新築開設した。

 経営主体は因島市、運営は因島市福祉事務所。敷地面積2657平方メートル▽延床面積1670平方メートル▽鉄筋コンクリート造2階建▽収容定員50人(2人部屋25人)である。

 おおむね65歳以上の人で身体上・精神上、または家庭の事情および経済的理由により家族と同居できないとか、同居することが難しい者を福祉事務所の委託を受けて養護する。現在、因島市38人▽瀬戸田町7人▽東広島市、府中市、三原市尾道市、上島町それぞれ1人、計50人が入所し、待機者が7人。

 職員は、園長以下19人。看護士1、介護員9、栄養士1、調理員5、宿直員2。嘱託医は東生口診療所の中郷俊五医師である。

生きがいのある生活めざし

 創立50周年迎えた宮地徳満園長は、入所者の自立のために何をすればよいか模索中で、入所して元気になって住みつづけるための工夫をしているという。瀬戸内の風光明媚で温暖な地にあり、完備された施設のなかで生きがいのある生活を過してほしいと願う。

 集団生活の最低限度のルールを守りながらの自由な日常生活。外出、外泊は届出により自由。生きがい対策として、老人の趣味に応じ、歌、踊り、詩吟、ゲートボールなどクラブ活動や囲碁、将棋、テレビ、新聞雑誌なども楽しめる。

 野菜作り、芋掘りなど四季の収穫、近隣の老人を招待しての演芸会、幼稚園児らとの運動会などの行事にも意欲的である。身よりのない人は寿楽園で死を迎える。大広間に祭壇が作られ、葬儀がとり行われる。職員全員で身を清め、お棺に収めるという。

 さて時代は行革と合併の時代。50周年を迎えた寿楽園の行方はどうなるのか。尾道市との合併に先がけて発表された第2次因島市行政改革大綱は、養護老人ホーム運営の民間委託の推進をうたっている。施設が残ることは確実だろうが、尾道市との合併後に寿楽園の経営母体がどうなるのかどのように運営されていくのか、定かでない。寿楽園の今後の行方が注目される。

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