市議会選展望【1】財政再建と尾道圏合併正念場 因島市議選めぐる動きは加速 生き残りかけ腹の探り合い

掲載号 05年01月15日号

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 平成の大合併第1ステージに乗り遅れた因島市。この春4月には市議会議員の改選期を迎える。そして尾道圏への合併が成就すれば来年1月に定数8議席にしぼって因島地区代表の新尾道市議会議員を選ぶ選挙がある。再来年4月には尾道市議改選に伴う選挙が続く。因島の現職市議会議員にとっては、これから毎年選挙の洗礼を受けることになるから大変だ。

第1ハードルは22議席から2減 

 迷走した瀬戸田町との新市(対等合併)計画の望みを断たれた因島市。島同士の段階的合併を諦めて「将来構想であった尾道圏」への合併に急遽、カジを切り換えたのは昨年秋のこと。道州制を視野に入れての行政改革から見れば大差ないことだろうが、地元企業や住民にとって改革になじむ段階的手法を望む声は多い。

 とりわけ議員定数の削減で政治生命を失う人たちにとっては内心穏やかでない。たが、合併問題が1年遅れたことで、現在の議員定数22議席を2減の20議席のイスをめぐって4月17日告示。24日投開票で選挙戦が実施される。

新人出馬で重井激戦区

 昨年秋ごろまでは迷走する因島・瀬戸田合併問題が絡んで現職議員の去就が取り沙汰された。それが尾道圏との合併協議が始まり昨年末ごろから新人の出馬表明で退職議員の噂は沙汰止み。現職全員が再出馬の構えを見せる一方で、無競争工作の声もちらほら。とりわけ神経質になっているのは重井町を地盤とする民主の村上泰通氏(61)。初出馬で0.5票差で落選。前回は810票で上位9番目で当選した。ところが今回は同じ町内から自民党を名乗る村上鉄工所の醇治さん(58)が出馬表明したため、昨年暮れから村上泰通氏は町内のあいさつ回りを開始。

 市長をはじめ自民系の支援もあって上位当選した大出金三氏(62)もおだやかでない。前回得票883票のうち自民系の支持者離れが目立っている。前回トップ当選の清水通秀氏(64)は手堅い公明支持で前回並みの1,300票台を目指している。

 重井・細島投票区の有権者数は約2,900人。自民系支持者の多い地域に新人が名乗りを上げたため現職をおびやかしそうだ。

混戦模様の三庄4候補

 三庄町3投票区の前回有権者は4,300人。投票率は86%。初出馬の楠見公史氏(68)と4期目に挑戦した毛利明夫氏(56)が632票の同数で最下位。抽選の結果、楠見氏が初当選。2年後に金山吉隆氏が市長選出馬のため退職、毛利氏が繰り上げ当選で現職復帰。現在、自民系の森康光氏(55)とアイメックスが支持母体の榎本清文氏(54)の4人が再出馬、しのぎを削る。前回は4氏とも下位当選で冷や汗をかいたが、今回も厳しい選挙戦になりそうだ。

活力乏しい大票田の土生

 街を行き交う人も店主も高齢化した土生商店街。市議会議員も大票田の中で最年長で現職議長の須沢弘明氏(70)に元議長の村上博徳氏(64)、村上光氏(55)の3人。市長選出馬で退職した金山吉隆氏の動向が気になるところ。

 前回は土生町4投票所の有権者は5,600人。同町を地盤とする4氏の得票率は村上光846.78、金山790、須沢749、村上博徳724.37で計3,100票。単純計算すれば投票者が4,830票だったから1,700票以上が流出したことになる。有権者の政治離れと高齢化で活力が低下したとはいえ身近な選挙だけに投票率は85%台をキープしている。

政党色よりも知縁血縁色

 自民、民主、社民、共産、無所属の現職4人が出馬予定の田熊町。前回有権者は3,573人で投票率は89.65%。投票者数は3,552人で、旧民社系の村上弘二氏(57)1,120票で公明に次ぐ2位当選。自民の村上富男氏(57)1,063票で4位。社民の大崎金吾氏(52)、810票で10位。共産の岡野長寿氏(47)732票。無所属新人で出馬した岡野孝志氏(58)730票。惨敗した岡野博行氏(58)578の総得票数は3,913票。町内の投票者数以上を獲得している。政党支持者よりも知縁血縁による選挙戦の結果が出ている。

 東生口の有権者は約1,400人。前回、自民の山本正幸氏(56)713票。無所属の長田丕氏(59)655票で当選したが今回も厳しい。

 中庄・外浦・大浜は上位当選組の田頭弘美氏(64)、自民の吉田尚徳氏(64)、青木亮介氏(53)、前議長の巻幡伸一氏(58)、新社会党の上田栄司氏(45)がよほどのことがない限り上位に駒を進める環境にある。

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