傍目八目

掲載号 04年12月25日号

前の記事: “日の丸の小旗を振りて父送る小学四年の駅思い出す
次の記事: “行く年 来る年 来年はよい年でありますよう― 酉年に願いを込め迎春準備

 百家争鳴―政治経済界や学者・論客がめいめいの立場から自分の意見を述べ論争にあけくれた一年であった。因島に住む人たちにとっては思いもよらぬ土生町の密集家屋の大火。二度に渡る台風高潮の被害は家屋の浸水や柑橘など農作物にまで影響を及ぼした。

 それに加え、市制50周年を迎えたという因島市は平成の大合併の渦に巻き込まれた。地方分権を名のもとにアメとムチの市町村合併は避けて通れそうもない。望ましい合併とは何かという地域の将来像が描かれないまま尾道市に飲み込まれようとしている現実に多くの住民が納得していないのも否定できない。触らぬ神に祟りなし、といっておればやがて我が身に禍がふりかかってこよう。

 明るい話題は中国特需の影響で造船業界が活気をおびてきたことだろう。だが、技術者不足や鉄鋼材の高騰などで手ばなしで喜んではおられぬ反面もある。

 サル年の総括は国内外とも天災人災とも波瀾の年であった。渦転じて福を運ぶトリ年に希望を託したい。

E

トラックバック