傍目八目

掲載号 04年11月27日号

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 ともすれば「理念なき合併」と揶揄される平成の大合併。新設市のグランドデザインを描きにくい合併特例債というアメとムチで追い詰められる市町村。巨大な投資で架橋ムードに沸いた「しまなみ海道」沿線も例外なく寸断され、それぞれ相手先を選んで本土に吸収されようとしている。

 島同士の合併で「しまなみ市=仮称」の中核都市を願っていた因島市は越境の上島四島につづいて瀬戸田町との合併にも失敗した。市議会は首長のリーダーシップの責任を追及するが、議会の足並みが揃っていたわけでない。舳先を尾道圏域編入合併に旋回、29日付で法定協議会設置が決まったが合併条件の話し合いはこれからである。因島側の希望通り満足な条件は望めないとしても、どこで折り合うかむずかしい。

 それでなくても大方の市民は「なぜ尾道と・・・」と首をかしげる。今更、江戸・明治の御調郡下に戻ったともいえない。昭和の合併で過疎化が進み三浦村から小学校が消えた例もあながち見過すわけにはいかない。

村上幹郎

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