故障した電気スタンド買い替える小さき夢を抱きて眠る
掲載号 04年11月20日号
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岡本 美穂子
この電気スタンドを買ってもう何年になるか、随分と長持ちしたものだ。男の人が付け根のところを一寸いじってくれれば直ぐになおるかも知れないが、色も褪せて古くさいし、形も飽きたし、万が一に漏電でもすれば大変だという結論になって、買い替える気持になったのである。
人間は誰でも夢を持つ、夢は大きい程よいには違いないが、小さなとるに足りない夢も結構楽しい。夢が大きい小さいは、その人人の受けとり方であって、何であっても佳い。この人の楽しみは電気スタンドである。今晩は少々我慢して眠ることにして、型は年齢に似合った和風もよいが、モダンなものは機能的に便利なので･･･と次から次へと夢を膨らましながら寝についたのである。
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