数増せる血液サラサラとうレシピ元の二人となりし厨に

掲載号 04年11月06日号

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柏原 幸枝

 レシピは、料理の材料や作り方を書いたお手本であるから、健康管理のための料理方法、いわゆる「血液サラサラ」という、柏原家の秘伝が増えたのである。近頃は病院でも主治医から血液サラサラの薬を出しておきますから、と言われることがある。人間というものは、なんであってもいかにもそれらしく言うと、直ぐに信用するところがある。この血液サラサラも言葉には軽そうなところがあるが、高齢者にとっては今一番に気にかかる部分なので、ゴーヤが良いと言えばみんなが食べ、ピーマンが良いと言えば・・・と言うように、主食も野菜も海産物もひっくるめての血液サラサラのレシピの時代である。

 この歌にある「元の二人」とは、子や孫たちが大勢での帰省か夏休みかで押しかけられ、夫婦でそのもてなしに大活躍をしたのであろうか、特に主婦は買出しから献立からの知恵と経験を出し切っての数日間であった。いつまで居てもと名残りを惜しみながら今朝送って来て台所の椅子に坐りこんでいるところである。

 台所のメモ帳には、また献立の数が増えて来た、もちろん血液サラサラということを考慮に入れてのことである。メモ帳には以前から何通りかを炊いたり揚げ物にしたりしていた記録はあるのだが、この度の帰省には、多忙ななかにも娘たちと意見交換をしながら幾つかのレシピを実行してみた。栄養価やそのバランスはバッチリだが味付けがいますこしというものもあった。血液のサラサラも新鮮で味もよく、見た眼にも綺麗と思わせるのも調理者の腕の見せどころである。

(筆者・池田友幸)

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