田頭秀生氏が新瀬戸田町長 民意は新リーダー誕生を選択 注目される町議会の動向

掲載号 04年10月30日号

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当3791 田頭 秀生
 3502 柴田大三郎

投票総数7356、投票率90.83%、有効7293、無効63

 新人田頭秀生候補の当選が確実になった24日午後10時過ぎ、開票所である瀬戸田町役場に集まった若者や女性の中から、「やったー勝った勝った」と歓声があがった。10年つづいた柴田町政が覆った瞬間だった。後援会事務所前で、万歳が繰り返される。挨拶にたった田頭さんは涙で声をつまらせ、「ありがとうございます。皆さんのおかげです」と深々と頭を下げた。つめかけた支援者や報道陣にもみくちゃにされながら握手そして握手。やがて若者の胴上げが始まった。

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当選の報せに万歳がくりかえされた。

 祝福にかけつけた村上和弘因島市長と固い握手。旧町政下で積もりにつもった憤懣から開放され、歓喜の祝宴は深夜までつづいた。

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 合併方針を三原から尾道に転換し、町長を辞職してまで立候補した柴田大三郎氏の陣営は背水の陣。区長会をバックに、「田頭が当選すれば町が混乱し、地獄になる」とゆさぶりをかけた。しかし、町民は動ずることなく柴田町政にノーを突きつけ瀬戸田町民の良識を内外に示した。

尾道市長を訪問

 当選から一夜明けた25日当選証書を受け取った田頭さんの新町長としての多忙な初日が始まった。午前9時記者会見。「実感がわき重い責任を感じている。合併を間に合わせるのは私の政治的責任だ。想いがあればなんとかやれるのでないか。議会とも早急に話し合いたい。因島市長と会い、合併協のけじめをつけたい。しまなみ海道全通を来年に控え、町民の意見に耳をかたむけた町政に取り組みたい」と語った。

 あわただしく支持者や町議会議員などのところに挨拶にでかけた。午後には尾道市役所に亀田良一市長を訪ね、合併推進の意向を伝えた。同市長は合併申し入れについて、「住民、行政、議会一体となった申し入れが必要」と答えた。

新町長が初登庁

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 26日午前9時、田頭秀生新町長が初登庁した。町役場玄関で職員の拍手に迎えられ、花束を受け取った新町長は就任式にのぞんだ。約70人の職員を前にして「聞く耳を持ち、風通しの良い町政をめざし皆さんの智恵を借りながら町づくりにはげみたい」と訓示した。

 しかし、この場に萬所象治助役と向山正久収入役は、姿を見せなかった。2人は25日、「一身上の都合」を理由に辞表を提出、26日受理された。就任式を終えてまもなく田頭新町長は山本貢町議会議長に挨拶。

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 同議長は、「当選した以上、堂々とリーダーシップを発揮してがんばってほしい」と受け応えた。午後、因島市役所に村上和弘市長を訪ね、挨拶。法定協の今後については後日に持ち越された。

 田頭新町長の当面する最大の課題は、11月5日に予定される臨時町議会。新町長の所信表明に議会がどのように反応するか、助役などの後任人事への議会の対応はどうか、注目される。

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