傍目八目 出直し合併

掲載号 04年10月30日号

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 地方分権という旗印を掲げた平成の大合併は最終段階にきた。因島市は28日から「尾道市との合併」という出直し合併住民説明会を開き、11月2日には市議全員協議会を開いて議員の意見を聞き、その結果次第で月末を目標に尾道広域の法定合併協設立をめざすという強行スケジュール。

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 因島市を核とした合併は仮称「しまなみ市」の新市計画をもくろんだが失敗。県境を越えた上島四町村との合併はゴミ処理など広域行政が直ちに結びつかなかった。隣接する瀬戸田町とは個人的感情のもつれから中断した。そのあげく将来の望ましい対等合併の地域ビジョンや中長期計画の協議をしないまま両市町は尾道広域との合併方針に切りかえた。

 当然、編入合併方式で、破綻したから買い取ってもらう企業の吸収合併色が強い。首長は辞職、議員定数は減る。合併協議のスピードは速く、長い目で見れば対等も吸収も大差ないといえばそれまでだが空しさにホゾをかむ住民もいる。

村上幹郎

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