混迷する合併出直し瀬戸田町長選 町議会と区町会に振り回されて 周辺市町を巻きぞえに二転三転

掲載号 04年09月25日号

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 合併問題をめぐる町政混乱の責任をとって柴田大三郎町長が辞職したことにともなう瀬戸田町長選挙。10月19日(火)告示、同24日(日)投開票をまえに早くも白熱化の様相を呈し、選挙戦は序盤戦に突入した。(有権者数8164人)

 18日に「合併を考える会」がサンプラザで開いたリコール運動「お礼と勝利宣言」集会では、前町議で会社役員の田頭秀生氏(67)が出馬宣言。23日には柴田大三郎前町長の後援会である「しばた大三郎を町長にする会」(塚本尊会長)が、元ゆうステーションせとだで事務所開きを行なった。事実上、候補者は柴田―田頭の2氏にしぼられ、両氏の一騎打ちとなった昨年4月の激戦の再現になる。

握手作戦の柴田陣営

dc092310.jpg 事務所開きに集まった約 300人の支持者をまえに柴田前町長は、「私の力量不足をお詫びします。身を辞して私の手で合併をやりぬきたい」と挨拶。つづいて後援会が、「8000人1人ひとりと握手し、5000票をとろう」と選挙方針を訴えた。情勢について、

【1】因島合併派に困惑させられている
【2】正しい情報が分からない
【3】柴田町長が悪者になっている
【4】なぜ三原だったのに今度は尾道なのか
【5】正しい合併のことがわからない
【6】どちらが得で町のためになるのか

などを分析。このような町民の困惑のなかで、候補予定者を先頭に地域に出向いて挨拶と握手作戦を掲げた。柴田陣営は、候補予定者が現職でないことを逆用、区長会組織をフルに動員して地盤固めをはかる。「前回の選挙以上に厳しい」と陣営の引き締めに懸命だ。リコール運動をうけての辞職、三原から尾道への180度転換しての選挙戦、危機感が陣営全体をおおっている。

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リコールの勢い田頭陣営

dc092210.jpg 演壇に張り出された「瀬戸田町の為、必ず勝って下さい 尾道市長亀田良一」のため書きを背にして、リコール運動を推進してきた約300人に田頭秀生氏は「このままでは瀬戸田はダメになってしまう」と出馬の決意を披露。

 さらに、尾道市に合併協議を申し入れ、しまなみ海道を生かしたまちづくりを進めることを訴えた。そのうえで、いきなり尾道に行くわけでなく、法定協がある因島市との協議にけじめをつけることの重要さを指摘。当選後、直ちに尾道、因島、瀬戸田の三者協議を持ち、どの合併が良いのか早急に結論を出したいと述べた。

 田頭陣営は、後援会会長に飯田照男氏、選挙責任者に前田嘉治氏を決めた。当面は名荷にある従来の後援会事務所を事務所にし、10月からは、瀬戸田運送隣りに事務所を構える。

 リコール運動で集まった3500人の署名は、田頭陣営の固い基礎票になって同陣営が先行しているとの評価が大勢だが、後援会は「相手方は人も金も持っている。厳しい選挙だ」と語る。

 昨年4月、62票差の大接戦となった町長選。ここでは決着されずに1年半におよぶ町政の混乱がつづいた。

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