柴田町長辞職・出馬表明 リコール回避の狙い 怒り拡大、不可避の勢い

掲載号 04年09月11日号

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 柴田大三郎瀬戸田町長の辞職表明と、その直後の町長選出馬宣言は、多くの町民を驚かせ、不信と怒りを買っている。それを代弁して、リコール運動を推進してきた「合併を考える会」(前田嘉治代表=写真=)のメンバーは、「常識をこえたものだ。柴田さんの関心は合併ではなく町長職にしがみつくことにある」と吐きすてるように怒りをあらわにする。

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 さらに、柴田町政を批判してきた町議たちは、「リコール逃れで、尾道合併の表明はその方便にすぎない」ときびしく批判する。8月27日から2週間。町長が辞職表明した9日の段階で、リコール請求署名者の数が、早くも全有権者数の3分の1に達し、さらに拡大の勢いを見せ追い詰められていた。

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何をいまさら 不信うずまく

 「町政の混乱の責任をとって辞職した者が、なぜ出馬するのか。町民を馬鹿にするのもほどがある。もうだまされないぞ」と怒りの声も聞こえてくる。

 さらに「尾道広域との合併はリコール運動側の主張で、町長はずっと反対してきた。盗人たけだけしいとはこのことだ。人間の品位の問題だ」と指摘する識者もいる。

 「柴田町長に尾道と合併の話ができるはずがない。もっとふさわしい人はほかにいる」との評価は定着している。

 事情に詳しい人によればリコールで形勢不利とみた柴田町長は、有力者を介しにわかに亀田尾道市長との接触をこころみ始めた。9日、辞職挨拶の名目でやっと面会できた同市長にも「民意によって選ばれた方と話をしたい」と、あしらわれたという。

 合併特例債の拒否から活用に転じたご都合主義には「何をいまさら言うか。町長の拒否姿勢で倒産した会社があるというのに」と、とりわけ手厳しい。また、「合併特例債の活用には因島との合併推進が最も有効なはずだ。まったく信用できない」との意見もある。

 柴田陣営を支えてきた三原派議員たちにも動揺が広がっている。「三原、三原と言ってきたわしらの立場は、どうなるんじゃ」の声ももれ伝わってくる。

青木忠

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