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掲載号 04年08月21日号

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8月15日のダイアリーより

天空の裂け目から
血が降りそそぐ
冷たい・・・
ナイフを入れたのはこの手
それでも星はまたたき
無数にある
叫んでも返答はなく
嵐がとぐろを巻いて吠えかかる
誰もいない宇宙に
両肘を伸ばして進む
この世に生を受けた時も
こんな感じだったか

体を貫き抜けて星が飛び交う
涙は吹き飛んでしまった
深い闇のなか
光の届かぬ海底にいるみたいだ
遠くに星がある
意識を指先に込め
全身の神経をその一点に集中させ
光源に全速力で突入する

まぶしい光が溢れ
爽やかな汐風と鳥のさえずりは
朝であることを知る
薬指に結んだ星が光った

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