三原圏1市3町で合併作業大詰め どこへ行く合併協離脱の瀬戸田町 柴田町長3日夜、2度目の説明会

掲載号 04年07月03日号

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 因・瀬法定合併協からの離脱を宣言した柴田大三郎瀬戸田町長は、平成17年度以降の合併相手先を「新三原市」、しかも「対等合併」から「編入合併」とすることを、一方的に明らかにした。

 こうした柴田町長の強引な政治手法は、瀬戸田町の町始まって以来の分裂と混迷の危機をぬきさしならぬ状態にさせている。

 6月30日開催された住民説明会では、「法定協の協議を継続すべきだ」「町長を辞し、住民の信を問え」などの意見が噴出した。3日夜、ベルカントホールで開かれる第2回説明会でも同様な事態が予想される。

 瀬戸田町民は、合併をめぐって町内での意見対立が深刻化するなかで、それを打開しようと、合併特例法に保障された住民投票を選択した。そして、設置された因・瀬法定協議会での冷静で真剣な協議を願った。

 合併をめぐる政争を回避し、法定協の協議を積み重ね、その結果を町議会において議決するという、基本ルールを町民自身が創りあげた。住民は町の分裂と混迷を嫌い、住民自治―主権在民の立場から、その解決に乗り出したのである。

 しかし、そうした住民の動向を理解できない柴田町長や町議会は、一種のクーデターのような手法で、住民がつくりあげた合併協議のルールの精算に踏み切った。

 瀬戸田町の迷走は、町内ばかりか、法定合併協の相手の因島市はいうまでもなく、広域行政圏の新尾道市にも不信感を増大させている。瀬戸田町のイメージダウンははかりしれない。

 また、一方的に名指しされた新三原市圏はとまどいをかくせない。「新市発足と合併作業を軌道にのせることに精一杯で、瀬戸田町の相手をするどころではない」が本音である。民意を尊重するといいながら因島市との合併協を離脱決意した瀬戸田町長の住民説明会。順序が違うという声があがるのも当然。単独町制維持は財政難で無理。いまさら受け入れは迷惑という三原市。町民は八方塞りの選択肢に頭をかしげている。

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