柴田大三郎瀬戸田町長 因・瀬合併協離脱を表明

掲載号 04年06月19日号

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 3カ月間にわたり因島市との合併法定協議会をボイコットしていた、柴田大三郎瀬戸田町長は17日、町議会定例会での一般質問に答えて、因島市との法定協からの離脱を表明した。

 「因島市との認識の違いは修復しがたく、法定協からの離脱を選択するしかない」。合併特例法の期限である来年3月までの合併をあきらめ、「当面は単独町制で切り抜け、新しい合併の枠組みをさがす」というもの。

 これは、住民投票によって設置された因島市との法定協から離脱し、合併特例債をもあきらめ、膨大な赤字を抱えたまま三原圏域に逃げ込みを模索する事実上の表明である。

 しかし、このままでは三原側が受け入れようはずもなく、何の保障もない。そればかりか、なりふりかまわぬご都合主義は、瀬戸田町の信用を暴落させ、広域連携を組まねばならぬ周辺自治体のなかで、いっそう孤立を深めざるをえない。

 町民の困惑と失望は大きい。町長や町議会の暴走は住民投票の実施にみられる住民自身による合併への主体的取り組みをないがしろにし、ご破算にする暴挙という結果を迎えようとしている。

 「町長や議会は、合併を先延ばしにして、町のことではなく自分の首をつなぐことしか考えてない」と怒りをあらわにする人も少なくない。住民の最期の抵抗策であるリコールもいっそう現実味をおびてきた。

広域組合への飛び火は必至

 柴田町長の離脱表明をうけて町議会は同日、生口中学校組合議会で予算案否決に賛成した町議2人の辞職勧告決議を可決した。しかし、辞職しなければならない法的拘束力がないことから2氏は組合議会に出席して今後も粛々と責任を果すという。

 3月末、因島・瀬戸田組合議会で生口中学の前年度比15%減の予算案が否決された応酬手段としか思えない辞職決議案が提出され、混迷に拍車をかけてきた。

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