自宅の楠の木 太鼓になり里帰り

掲載号 04年05月29日号

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 沼隈郡にある知的障害者総合施設、社会福祉法人「ゼノ少年牧場」の職員2人が、田熊町の小林勝美さん(63)宅を訪問、施設での和太鼓づくりの材料を提供したお礼に完成した太鼓を贈呈した。

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太鼓をたたいてみる小林さん。

 小林さんが市愛育会田熊地区役員として、同施設を訪問したのが10数年前。障害者たちが、ノミとカンナで木をくりぬいて太鼓づくりにはげんでいる姿が目にとまった。

 その後、自宅裏の山にある樹齢80年のくすの木を伐採し、提供することを思い立った。しばらくして、施設の職員や保護者たちが根元から切り倒し、持ち帰った。

 それから4年、くすの木の太鼓が8台完成。そのうち直径30センチの革張り、漆塗りの本格的な太鼓が手渡されることとなった。小林さんは、

「枯れたら値打ちはないが、お役に立ててうれしい。来年の法事には親族に見せたい」

と喜びを語った。

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