因島瀬戸田合併協を検証 あら捜しと自己責任 住民はうんざり

掲載号 04年04月24日号

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 瀬戸田町議会で、因・瀬法定合併協議会の負担金の全額削除を2度にわたって決めるとともに法定協からの離脱を決議した、向井智昭、向山達夫、山本盛正、植田秀夫、胡本進、川本秀司、岡本敏、飯田幸弘、羽根武久の9議員は17日夜、同町宮原の生口島開発総合センターで住民説明会を開いた=写真=。

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 集会名称に「合併協議会の現状について」とあったが、内容は法定協からの離脱についての弁明に終始し集まった約120人の住民には不満が残った。ほとんどの参加者の関心は、離脱派の議員が離脱後に何をするのかにあったが、それはまったく出ずじまいで、住民からの質問に答えられないまま、閉会した。

離脱理由 説明できず

 冒頭、代表の向井議員が因島市との合併反対論を述べ、その理由に次の点をあげた。

【1】10年ももたない合併をすべきでない
【2】10万人以上の規模で合併すべき
【3】因島市の行財政改革の遅れ
【4】加盟している農協が違うので農業振興が望めない
【5】住民投票のしこりなどである。

 しかし、同議員はどこと合併すべきかについては一切言及しなかった。

 つづいて、合併協議会の現状や離脱決議にいたる経過が報告された。しかし、因島側との意見の食違いがあることが出されたもののなぜ離脱決議という非常手段に訴えたか、また今後どうするかはでないまま、質疑に移った。

 当然ながら「離脱後どうするのか」の質問がでた。それに対し、川本議員は、「現在、因島市とは婚約中で、他の市町にちょっかいをだすべきでない」と答え具体案はないとした。

 生口中学校の問題については、向井、飯田議員が、「合併と義務教育はべつ」だと答えるにとどまった。

 つづいて、「議員であるなら、最後の最後まで法定協にとどまって話し合い、合併の不安を解消するよう議員の責任をはたすべき」の問いかけがあった。川本議員は、「このままだと合併の不安は解消されない。現状で合併すれば、議員定数は1対3で瀬戸田側の意見は通らない。いったん離れて、正しい情報を町民に伝えて、皆さんに真意を問いたい」と答弁。

 さらに、「因島反対、三原行きを表明し、町議選に立候補したか。どうせなら、リコールし、それを訴えたらどうか」の質問がでた。それに対して向山議員が「原点にもどって合併を考えるべきだ。現在因島市との合併協があり、他との合併を言うのは失礼だ」と述べ、むしろ、「合併を考える会の意見広告が問題」と問題をそらした。それに対して質問者は、「意見広告について問題があれば、なぜ住民投票直後に異議申し立てをしなかった」のかと切りかえした。

 この後も挙手があいついだが、司会が時間を理由に質問を打ち切り、閉会。

いつになる町議会正常化

 合併への不安を口々に語る離脱派議員。しかし、突然に法定協から離脱を決議し、その理由も説明できず今後どうするのかも提案できない議員のうろたえぶりこそ、住民に無用な合併への不安をあたえるだけである。

 瀬戸田議会の異常事態は何も解決していない。町長の提案した法定協負担金の予算案が2度にわたってはねつけられたままである。予算案が否決されるということは、町長の不信任を意味する。しかも野党ではなく与党がである。ほぼ1カ月間にわたって、この事態がつづいている。

 この事態の異常さに、離脱派議員は誰一人として気づいていない。すべてはこの議会の正常化から始まるのでなかろうか。

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