合併協離脱のサヤ当て 因・瀬組合立生口中の学校運営予算に飛び火

掲載号 04年04月24日号

前の記事: “傍目八目
次の記事: “因島瀬戸田合併協を検証 あら捜しと自己責任 住民はうんざり

 瀬戸田町議会による因・瀬法定合併協議会負担金の全額削除と法定協からの離脱決議を引き金として、因島市と瀬戸田町の消防、衛生、学校組合が揺れ動いている。とりわけ生口中学校組合の事態は深刻である。

 3月29日の組合議会で、平成16年度当初予算案2747万円を否決。組合管理者の柴田大三郎町長は、同31日に臨時会を開こうとしたが、定足数に足りず不成立。やむなく、6月まで、409万円の暫定予算になった。

 この事態は、生口中学校=写真=が昭和30年に両市町の組合立になって以来、初めてのことである。

ikuchu20040424.jpg

 生口中学校は昭和22年南生口中学校として創立され同24年に豊田郡学校組合立生口中学校と改称された。そして、同年因島市誕生とともに瀬戸田町因島市学校組合立生口中学校と改称され今日にいたっている。

 今年度は、因島から40人瀬戸田から38人の計78人が通学している。組合管理者は柴田瀬戸田町長で、組合議会が設けられている。議員は、議長の村上和弘因島市長、飯田誠一、向井智昭、石崎末博、飯田幸弘(以上瀬戸田町議)、山本正幸、村上博徳、村上泰通(以上因島市議)の7人。

 学校運営予算は、そのほとんどが国の地方交付税でわずかに両市町の負担金がある。
以上のような組合立の事情から、生口中学校は、因島、瀬戸田の両自治体の友好関係を前提として成立してきた。これに暗雲をもたらしたのが、平成の大合併の流れであるが、住民投票によって因・瀬法定合併協が設置され、協議がはじまり、関係者は胸をなでおろした。

 この背景には、生口島というひとつの島に行政の区割りがあることで教育上不利益をこうむってきた、住民の不満や批判が渦巻いていたことは否定できない。

 瀬戸田町議会の法定協からの離脱の動きは、突然のことであった。一挙に両市町の信頼関係はふきとび、学校組合議会にも飛び火した。しかも、柴田町長から提案された当初予算案が昨年比で約%減額されたことが、火に油を注いだ。

 柴田町長や離脱派の「合併と学校は別」の主張、つまり合併がこわれても学校だけは協力していこうという言い分は、あまりにも虫が良く、事態をいっそう深刻にさせている。組合立生口中学校の長年きずかれてきた伝統を自ら捨て去るとの批判はまぬがれないだろう。

E

トラックバック