瀬戸田町議会合併離脱を可決 これからの町づくりはいったいだれが主役なのか

掲載号 04年04月10日号

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 瀬戸田町臨時議会は9日午前11時すぎに開会。因・瀬法定合併協議会の負担金全額削除を決めた一般会計の修正議決について再議したが、再び全額削除を9対6で決めた。つづいて5人の三原派議員から提出された「因島市・瀬戸田町合併協議会離脱の決議案」を審議し、9対6で可決した。

 そもそも住民発議による法定協の負担金は義務的経費であり、それを拒否することは、たとえ議会であろうと許されない。指導する立場の県の見解も「法定協の協議継続が大前提。そこで出された決定について議会が最終結論を下す」というものである。つまり、議会は、法定協の開催と円滑な協議に積極的に協力することを法律的に義務づけられているのである。こうした議決は、法律に反する違法行為であり、同議会は無法状態と化している。全国的にみても例を見ない異常事態に他ならない。さらに、法に定められた住民投票の結果を否定しており、とうてい許されるべき行為でない。

 合併協離脱を叫ぶ、町議会議員は「財政難の両市町が合併しても利点がない」「協議が対等合併になってない」などと主張している。しかし、協議は開始されたばかりで、入り口にも達していない。その段階で何を根拠にそのような主張を展開するのか。法定協を何がなんでもつぶそうとする魂胆がみえみえ。

 昨年8月10日の住民投票結果によると瀬戸田町は有権者の約82%が投票し、賛成3506対3145で賛成が361の票差で多数をしめた。今回の瀬戸田町議会の暴走は、こうした民意に対する挑戦であり、賛成票を投じた多数派の町民ばかりか住民投票に参加した町民全体を敵に回す暴挙と言わざるを得ない。

効力のない合併協離脱決議

 柴田大三郎町長は「合併協の協議は継続する」とし、村上和弘因島市長は「現実に法定協は存在しており、合併のための協議ができるよう努力する」とコメントを発表した。今回の合併協離脱決議は拘束力のない単なる一決議にすぎない。

 しかし、住民の議会に対する不信と怒りは頂点に達しつつある。議会と住民の対立の構造は一層先鋭化せざるをえない。とりわけ、町づくりの主体として登場しようする住民の動向は注目される。しかも、因島市との合併を離脱したあとどうするのかという論議はなかった。

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 画像瀬戸田町役場ホームページ合併問題コーナー

URL:http://www.town.setoda.hiroshima.jp/gappei/g_index.htm

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