因島市新年度当初予算案 一般会計99億7400万円 無い袖振れぬ緊縮消極策

掲載号 04年03月06日号

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 因島市は2日、平成16年度当初予算案を発表した=写真=。
 一般会計は99億7400円。前年度比 875万 5千円 0.1%減、2年連続のマイナス。国の減税にともなう税収減を補う「減税補填債」の借り換え分を除くと、実質4%減となった。

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 一般会計、特別会計、企業会計を合計すると 207億2580万円( 2.4%減)。予算案は8日からの定例市議会に提案される。
 一般会計の歳入では、市税が24億2545万円となり、 1.1%減。これに追い打ちをかけて、国の「三位一体改革」にともない、地方交付税が29億6000万円と 7.6%(2億4500万円)減。
 こうした財源不足を市債の増額発行と財政調整基金取り崩しで補う。
 歳出では、とりわけ目立つのが投資的経費の削減で普通建設事業費は5億7683万円と14.5%の大幅減。市側は、旧三庄公民館や旧三庄幼稚園の解体などの工事が終了したことを、その根拠にあげるが、公共工事に臆病とも言えるほど極めて消極的である。
 因南中学校関係予算は2年連続で見送られ、生口島林野火災出動でいっそう浮き彫りになった三庄消防屯所建設も引き続き延期となった。
 今回の大型山林火災に際し、三庄消防団は他地域の消防団とともに連日、全力で出動を繰り返した。しかし、独自の屯所を持たない三庄だけが出動後、顔を洗い、着替え、打ち合わせすることもできず、個々の家に帰って行かざるをえなかったという。
 地元経済に与える影響も深刻である。市営中央駐車場建替え工事が地元への恩恵が少なく、新型特別養護老人ホーム建設の断念が決まったばかりである。
 財政難を理由に緊縮予算を採用することは誰にでもできる。財政難であろうがなかろうが、やらねばならぬことはある。財政難だからこそ、それをやりとげる智恵が求められているのではなかろうか。
 いずれにせよ、合併特例債目当ての安易な姿勢が見えかくれする。合併すればどうにかなるでは、合併すらなしとげられないし、合併にともなう「優遇処置」を十分にひきだし、活用することもできない。
 8日から始る因島定例市議会。予算審議のなりゆきが注目される。

青木忠

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