因島市・瀬戸田町合併 合意に程遠い新市名 16日に第5回協議会

掲載号 04年02月07日号

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 昨年10月に開始された因島市・瀬戸田町の合併協議は、これまで4回の合併協議会を開いたものの新市名など基本的な点において合意点を見出せず、時間だけが過ぎていっている。

 1月27日に開かれた新市名候補選定委員会(長田丕委員長)においても、実質的な討議に入れず入り口のところから一歩も進んでいない。

 14日の前回会合で、因島側は新市名に「因島市」を提案。瀬戸田側は因島も瀬戸田も使わない第三の新市名採用を要求。

 さらに27日、瀬戸田側は、協議の前提として新市名に両市町名を使わないという合意を要望「因島市」とする提案の白紙撤回を求めた。しかし、因島側はこれを認めず、瀬戸田側に新市名の具体案の提案を求め、それと「因島市」案の2案をめぐって論議すべきと主張し、対立を強めた。

 結局、論議は平行線のまま次回12日に先送りになった。小委員会の新市名候補とりまとめ期限は2月中。このままではそれも怪しい雲行きになってきた。

根拠薄弱な因島市案

 その主な原因は、因島側の新市名の提案の発想と手法にある。あくまで対等合併である今回の合併で、瀬戸田側が「因島市」案をのまないのは自明なこと。それを百も承知でことをすすめるなら、「まとまる話もぶち壊しになる」という意見も多い。

 また「因島市」案の根拠が、「因島市瀬戸田町となれば、合併しても瀬戸田町の町名は残る」ぐらいの薄弱のものであれば、瀬戸田町民の神経をさかなでするばかりであろう。二つの島による新市発足にふさわしい新市名を求める両市町住民の期待は大きい。

 合併協議会事務局試算によれば、両市町名を使わないで新市名を採用した場合、必要になる経費は次の通り。看板、印鑑、書類変更など行政関係で約1億2千万円、民間事業所で約2億3千万円。

 ところで、これを合併による経費の無駄づかいと見るか、それとも経済活性化の起爆剤とみるか意見の分かれるところ。合併による新しい流通の活性化が始るとの有力な見解もある。
 この経費節減が「因島市」案の理由づけにされるなら、あまりに単純で低レベルの論法と、批判はまぬがれない。

 いずれにせよ合併は100%うまくいったためしがない。市町村にしても企業にしても同様である。何を残し、何を捨てるか、大所高所の観点からの真剣で集中した協議の積み重ねこそが合併成就の定石である。

 次回合併協議会2月16日(月)午後2時因島市芸予文化情報センター。

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