第4回因島・瀬戸田合併協 水をさす瀬戸田一部委員の発言 真剣に集中した協議求める住民の声

掲載号 04年01月24日号

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 因島市・瀬戸田町合併協議会は17日、瀬戸田町で第4回会合を開いたが、瀬戸田側一部委員の発言をめぐって空転し、協議に入れず次回にもちこしとなった。

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 冒頭、瀬戸田側の委員である向山達夫議員=写真=と杉原正也区長会会長が、「法定協の設立をきめた住民投票が誤った情報で誘導された可能性がある。この協議会でその点について明確にされない以上、協議はすすめられない」と繰り返し発言し予定された協議は全てストップした。

 両委員が問題にしたのは住民投票の直前の8月6日、瀬戸田町で開かれた亀田良一尾道市長講演会での同市長の発言を掲載した「合併を考える会」の意見広告の内容である。

 その亀田発言は、平成15年1月1日付け中国新聞に掲載されたものと同趣旨で「尾道と因島、御調、向島瀬戸田の首長と議長が集まり、県の基本パターン発表後に話し合った結果、まず尾道と御調、向島の1市2町と、因島と瀬戸田の1市1町の組み合わせで合併しようということになった」というもの。

 両委員は、この亀田発言の内容は事実無根であるとし、これを掲載した「合併を考える会」の責任は重大であるとする。

 しかし、この議論は発言当事者亀田市長の不在のところでは成立しえない。また、そもそもこうした内容は、合併をめぐる住民運動同士の問題であって、意見広告にたいしては意見広告で争うのが原則であろう。両市町の委員が出席して限られた期限の中で合併について、真剣で集中した協議を課せられている合併協議会でのテーマにはなじまない性格のものである。

 当日、傍聴につめかけた約60人もの町民もなかば呆れ顔で潮が引くように退席していったのも無理からぬ話。早くも瀬戸田町内で両委員の言動は「瀬戸田の恥」との厳しい批判の声があがっている。

 因島市・瀬戸田町合併協議会は周知の通り、住民投票で設置が決まった先駆的な画期的なものである。それを前に向かってどのように進めていくか、両市町民に等しく問われている。回転しはじめた歯車をうしろに回すことは、厳しく戒めねばらない。

待ったなしの合併選択肢

 因島市と瀬戸田町の合併は、好むと好まざるとに関わらず待ったなしとなっている。今となっては他の選択肢は見当たらない。

 現在、因島市が抱える赤字額は約100億円。瀬戸田町が約70億円。合併しないで地方交付税をカットされるとどうなるかは火を見るより明らかである。まさにアメとムチの合併特例法であるが、財政面を直視するならさけて通ることはできない。

 来年3月の合併期限切れをまえに両市町の合併協議はいま端緒についたばかり。新市名、新庁舎、新市計画など基本問題ですら全く行方が見えていない。

 さらに、最大の焦点と言われている新市のもとでの議員定数問題(因島市現22、改選時20人。瀬戸田町16であわせて38人か36人)は先送りされたままである。

 もともと合併は100%うまくいったためしがない。市町村にしても企業にしてもしかりである。何を残し何をすてるのか。真剣で集中した協議とその積み重ねが求められている。

 この期におよんで個々の委員の思惑によって協議の流れが左右されることなどあってはならない。

 第5回合併協議会 2月16日(月)午後2時、因島市芸予文化情報センター。

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