傍聴席【1】 議会が直視できない 住民投票結果の重み

掲載号 03年08月30日号

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 住民投票の結果を受けて因島市と瀬戸田町の合併法定協の設立準備があわただしく進行するなか、22日因島市議会・全員協議会が開かれ、全議員が出席した。議題は、市町村合併に関する住民意識調査の結果報告と合併推進課設置のための条例の一部改正。

 最も注目されたのは、瀬戸田議会とともに、因島・瀬戸田の法定協設置に反対し続けてきた因島市議会が激しく流動化する住民投票後の情勢に、どのような反応を示すかであった。住民投票で被告の立場に立たされた議員たち。しかも「瀬戸田は三原行きを決めており、もうだめだ」として住民投票に反対してきた議会。その議員たちが開口一番、何を発言するか誰もが関心のあるところ。

 質問にたつ議員たちは、「決まった以上、協力するが」と法定協については枕詞にし、質問を合併アンケート結果にすりかえることに四苦八苦。ばつの悪さもあるのか住民投票の結果について誰もまともに言及できない。そもそもこの合併アンケートは、住民投票以前の4月から5月に行われたもので、住民投票への影響を配慮し、発表が8月中旬まで遅れたもの。住民投票の前と後では情勢はまったく変化しており、データとしても参考にもならなくなっている。

 情勢は、法定協をどう立ち上げていくかを軸に展開し、合併に関心を強めている市民は法定協の動向に注目している。議会の立ち遅れと無策ぶりがますます際立っている。

(青木忠)

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